
アニメをめぐる冒険型コラム「アニメ・エンタープライズ」。
人は生まれ死んでいくもの。誰にでも、起こりうること。その瞬間が来ることは、受け止めなければなりません。
曲がり路のその先に――
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高畑勲監督が、本日4月6日(金)、死去されたというニュースが日本中、世界中に伝わりました。
アニメや映画を追求していくうえで、高畑監督の作品に触れないということはあり得ません。
僕はつらいことがあった時、これから先、どうしたらいいのだろうかという時に、自分を支えてくれるアニメを観返します。
『赤毛のアン』もその1つです。最終話、アンが手紙にしたためる言葉1つ1つが、生きる力となって、僕の中に染みわたっていくのです。
以前、『ぼくの名前はズッキーニ』のトークショーを取材させて頂いたときにも、片渕須直監督やクロード・バラス監督という素晴らしいアニメ・アニメーション作品を手がける方々から、高畑監督の作品のお話を聞きました。
高畑監督が最期に手がけた『かぐや姫の物語』は、アニメ・アニメーションの枠を飛び越えて、これから先、1000年以上経った世界では、どんな表現で物語が描かれるのか――。その無限の可能性と創造性を感じ取りました。
高畑作品を観て想像した空想の力や、夢の理想世界は、何物にも奪うことができないものです。
何かを受け止めなければならない時はつらいですが、僕らの心の中には、アンたちがいつまでも生き続けます。
神は天にいまし、すべて世は事もなし。
高い山があること、世界にはいまだ観ぬ作品と、その作品を語れる素晴らしい友人たちがいることを忘れずに、誇りを持った仕事を続けていくだけです。