
アニメをめぐる冒険型コラム「アニメ・エンタープライズ」。
久々のアニメライターシリーズですが、今回は記事を書くうえで参照にする情報源に関して。
WEBの情報は参考程度に
アニメライターに限らず、WEBで記事を作っている人間が言うのもむなしい話ですが、WEB上にある記事の情報をあまり参考にすることはありません。
ざっくりと周辺情報を調べるうえでは役に立ちますが、それが間違いのない確固たる情報だと信じることは決してありません。
たとえば作品の正式名称1つにしても、公式表記に準ずるのが基本ですが、略称や全角半角の違い、そもそも間違っているということもざらにあるため、どの表記がただしのか、媒体に応じた軸を定めて、そこからブレないように意識することが大切です。
本や雑誌などの情報は、WEBに比べて校閲や校正などチェック工程がしっかりと取られている前提があるので、信用度はWEB以上ですが、必ずしも正しいことを書いているわけではない、ということは同じ。自分の中で培ってきた知識や経験と違うなと思ったことは、直接第1次ソースとなる人に聞いてみたり、複数から情報を仕入れて多角的に見てみたり。
インタビューでも、取材前などには過去の記事を読んだりするのですが、その際も「~とおっしゃっていましたが、どうでしょうか?」など重ねて本人に確認したりすることもしばしば。最悪言っていないのに書かれていることも考えられるので。
あとアニメライターにとって大事な情報源は、OPとEDクレジットです。そこに書かれた役職や名前から、そのアニメの面白さに迫っていくのは、これは楽しい作業なんですね。
作画がよかったらEDの原画・作画監督クレジットを確かめるのが楽しいし、絵コンテ・演出など各話単位で関わる主要スタッフの名前は、必ずチェックしています。
役職は制作工程における責任表記なので、クレジットを1次ソースとして参照にして、インタビューや紹介記事を書く際はそれに基づくというのが、基本でしょうか。
ちょっと専門的でしたが、EDクレジットを観て楽しめるようになるとアニメの楽しみも増えるので、飛ばしちゃうのはもったいないですよ、というお話でした。