
アニメをめぐる冒険型コラム「アニメ・エンタープライズ」。
前回のコラムで、EDクレジットの話題を出したので、それに続いてEDクレジットの楽しみ方・基本編です。
その回のどこが面白かったかで、チェックする場所が変わる
最初に言っておくと、アニメは集団制作されているので、作画が良かったから作画監督が凄かったんだと思いきや、実はノーチェックで原画マンが自由に描いていたから、演出が全カット直していたから、というようなことも起こりえます。
なので、EDクレジットを道しるべにして、面白さの根源を追求していくというのが、マニアックな楽しみ方になりますね。
ただ、いきなりそう書いてもしょうがないので、物凄く基本的なアニメクレジットの見方です。
キャストは当たり前ですが、キャラクターを演じた声優さんの名前が記載されています。クレジット的な楽しみ方は、たとえば若手声優がブレイクする前に端役で出ていて、時を経て見ると超豪華な女子高生A~Dになっていたり。
芸名が変わったりして、古い作品では現在の芸名ではないクレジットがされていることも。大ベテランの銀河万丈さんも、たとえば『機動戦士ガンダム』のクレジット上(ギレン・ザビ役)では、旧芸名の田中崇さんと表記されています。
このあたり、編集・ライター視点で見るとけっこう気をつけないといけない部分ではありますが、単純に1つのTIPSとしての発見がありますよね。
作画が良かったら、まずは作画監督・原画のクレジットをチェック。有名なアニメーターの方が参加した回は、作画的な見どころが多くなるものですが、そこまでマニアックな見方をしなくても、90年代以前のアニメ作品は、毎回作画監督ごとにキャラクターの描き方が個性的で違っているものです。
自分がいいなと思った回の作画監督の名前をチェックしておいて、数話に1回ローテーション参加するその作画監督の回を楽しみにする観方もあるんですね。
スタッフをクレジットでチェックするのは、物凄くマニアックなことでもありますが、根っこの部分は、自分がいいなと思った人をチェックしたいという気持ち。そこは声優さんを追いかけるのと、一緒だと思うんですよね。声優さんだけではなく、同列にスタッフ視点でもアニメを楽しむ土台が、もう少ししっかり確立していってほしいなというのは、僕の願いなんです。