皆さんごきげんよう、ライターの永田多加志です。

 

「祝・連載継続! もちろんビールで乾杯しました、1人でな!」 

 

……ぼっちの悲しい宿命です。さて、10月も終わりを迎え、どの秋期アニメを視聴するかも定まってきました。今回も序盤・中盤・終盤の各段階ごとに、4タイトルをピックアップ。夏期のように、安定して同じ作品を扱うのか。はたまた中盤以降、面白さを増した作品が新たにランクインするのか。まずは序盤の流れから、ビールが美味くなること請け合いな内容と魅力について語っていきましょう!

 

 

■前回の「アニメ鑑賞はビールとともに!」はこちら

 

伝説の特撮番組が装いを新たにアニメ化! 不可解な世界を舞台に、巨大ヒーローと大怪獣のバトルが展開される『SSSS.GRIDMAN』

 

パソコンが一般的になる前の1993年。インターネットやコンピュータウィルスといった要素をいち早く取り込んだ特撮ヒーロー番組『電光超人グリッドマン』が放送されました。先駆的な内容だったが故に当時は今ひとつ理解されず、ファンの間で惜しまれていた同作。そんな埋もれたる名作が、TVアニメとして奇跡のリニューアルを遂げました!

 

突然記憶喪失となった少年・響裕太。そんな彼に、古いパソコンの画面からハイパーエージェントを名乗る存在・グリッドマンが語りかけてきます。グリッドマンの姿が見えるのは裕太のみで、級友の内海将や宝多六花からは本気で心配される始末。異変はそんな中で起こります。怪獣・グールギラスが突如裕太の街を襲い、同じクラスの問川たち女子5人も犠牲に! 問題のパソコンへと駆けつけた裕太は、将と六花の目の前でモニターに吸い込まれます。裕太との合体を経て巨大な姿で現実世界に降り立ったグリッドマンは、激しい一騎撃ちの末、グールギラスを倒しました。

 

翌朝登校して来た裕太・将・六花の3人は、壊されたはずの校舎が無傷である現状に呆然とします。思えばバトルの模様は、将と六花がモニターを通して見た光景。もしかしてあれは電脳世界か何かの出来事だったのではないか。そう思ったのは私だけではないはずです。実際、3人以外の誰も怪獣の一件を覚えていません。これですべて元通り? そんなに甘くはありませんでした。まもなく昨日まで一緒だった問川たちがいないばかりか、クラスメイト全員に忘れ去られている事実が発覚! 怪獣に殺された人間は戻ってこない上、存在すら抹消される。事態は俄然深刻さを帯びてきました。

 

第4話まで放送された執筆現在、世界の構造は依然として謎のまま。一方、怪獣を送り込んで来るのは同じクラスの新条アカネで、その理由が憂さ晴らしも同然であることが判明しました。六花に並ぶヒロインである彼女に、そんな大それたことをさせていいのか? 彼女の動向にも注目です。

 

見せ場であるバトルシーンでは、スーツアクターの動きを彷彿させる肉弾戦やオーバーアクションからのビーム攻撃、セットさながらの壊れ方をするビル群の描写など、特撮に対するオマージュが横溢。パワーアップが予想されるグリッドマンの新たな雄姿や、今後登場する怪獣への期待も高まります。

 

 

公式サイト:https://gridman.net/

 

少女たちは巨大宇宙魚を獲れるのか? 問題だらけの漁師候補生チームにハラハラな『ソラとウミのアイダ』

 

広井王子さん原作のメディアミックス企画で、スマートフォンゲームをメインに展開していた同名作品がTVアニメになりました。

 

世界中の海から魚が消えてしまった近未来。魚を食べたい人類の切なる願いを受けて、日本の水産庁は宇宙に巨大なイケスを作ります。さらに、宇宙で魚を獲る宇宙漁師育成のため、広島県尾道市に「尾道宇宙漁業団」を創設。当初は男性のみだった宇宙漁師に女性の登用が認められ、候補生として空町春たち少女6名が選ばれる、というあらましです。

 

気になる宇宙漁ですが、我々がイメージする一本釣りや底びき網漁などとは似ても似つきません。「ストライクポッド」と呼ばれる個人機に乗って海中深く潜るのですが、獲物の巨大な宇宙魚はほとんどモンスター! 漁師の機体など丸呑みしてしまいそうなキングサイズなのです。当然1匹ゲットするのも一苦労。複数機で連携して陣形を作り、タイミングよくネットを射出して捕獲、という具合です。この巨大生物とのバトルさながらの漁獲風景が、見どころの1つと言えるでしょう。

 

宇宙漁の設定が荒唐無稽である一方、リアルなのは候補生に対する現役男性漁師たちの反発です。彼らにすれば誇りある男の仕事に女がしゃしゃり出てくるのは面白くない上、訓練施設なども共有しなくてはなりません。もちろん女子チームだって気持ちの上では負けていませんが、実態は宇宙魚の1匹も満足に捕獲できない有り様。さらに問題なのは、団結すべき彼女たちの足並みがまるでそろっていないことです。とりわけ、おっちょこちょいで失敗の多い春と努力家で人一倍気概もある村上波乃は、当初ケンカばかりでした。多少両者に歩み寄りが見られた矢先、遅れての参加となったルビー・安曇の自由奔放さに波乃が激怒。放送された第4話の時点では、仲違いが起こったままです。視聴者を不安にさせる問題山積な女子チームが、今後どうなっていくのか注目されます。

 

宇宙魚の巨体を見ると食べられるのか疑ってしまいますが、登場する海鮮料理の数々は実に美味しそうで、思わず唾を飲むレベル。丁寧に描写された尾道の街並みにも旅情をそそられ、新鮮な海の幸を食べに現地を訪れたくなりますね!

 

 

公式サイト:http://soraumi-anime.com/

 

異世界転生アニメに変わり種が登場! 最弱のモンスターが世界を変えていく――『転生したらスライムだった件』

 

現実世界の人間が死亡して異世界で生まれ変わり、新たな人生を歩み出す異世界転生作品。多くは第二の生が理想的に描かれ、カタルシスを味わえることが魅力です。反面、似たり寄ったりな内容ばかりだと批判されるのも事実。本作もそんな毀誉褒貶(きよほうへん)激しいジャンルに当たるものの、ほかとは少々毛色が違います。

 

主人公は37歳のサラリーマン・三上悟。彼はある日、通り魔の凶刃を受けて無念の死を遂げますが、ここまではよくある導入。違うのは異世界の洞窟で目覚めた時、三上は人間の姿ではなかったということです。その姿は、なんとスライム! RPGではザコ中のザコとして知られる下等モンスターになっていたのです。まもなくスライムとなった三上には、対象の保管や能力獲得・擬態を可能にする「捕食者」というスキルがあると判明。だったらとばかり、暇つぶし感覚で洞窟内の薬草や鉱石を食べまくっていた三上は、暴風竜ヴェルドラが封印されている場所に迷い込んでしまいます。大ピンチかと思いきや、ヴェルドラの身の上話を聞いている内に意気投合。友情の証としてリムルという名前を貰うに至ります。

 

これを皮切りに、リムルこと三上はゴブリン・牙狼族・ドワーフといった複数の種族と関わっていくことに。ゴブリン村では侵攻して来る牙狼族の群れから、ゴブリンたちを守ります。さらに両種族を和解させ、一緒に暮らせる村作りに着手。その過程で必要になった技術者を求めてドワーフの王国へと出向き、腕利きの者たちを招致することに成功します。

 

現在第5話まで視聴済みですが、とてもスライムが成したとは思えない功績の数々! このまま世界を変えてしまいそうな勢いです。もちろん、捕食をはじめとする保有スキルがアドバンテージにはなっていますが、彼の知恵や機転、交渉術といった従来の能力あってこそなのは間違いありません。

 

それにしても、跳ねるたわむ膨らむ伸びるいったスライムが見せるアクションのなんと愛らしいことか! 第4話からはセクシーキュートなエルフたちも登場して萌え要素も加わりましたが、一番の萌えキャラは、ほかならぬスライムなのではと考える今日この頃です。

 

 

公式サイト:http://www.ten-sura.com/

 

ムキムキの変態メイドが大暴走! 翻弄されるハーフ幼女の運命やいかに!? ホームコメディ『うちのメイドがウザすぎる!』

 

中村カンコさんの同名マンガを原作としたTVアニメで、「ほっこりしない系?」なる謳い文句がついたホームコメディです。

 

母親を亡くして以来不登校になり、家で気ままに過ごすハーフの小学生女子・高梨ミーシャ。そんな彼女のもとに、1人の女性・鴨居つばめが家政婦としてやって来ます。仕事で家を空けがちな父親が娘を心配して雇ったのですが、ミーシャにとっては邪魔な存在。これまでの家政婦と同じように、嫌がらせをして早々に追い出そうとします。しかしこのつばめ、元・航空自衛官ということで女性ながらムキムキマッチョな肉体の持ち主! 小学生の力では到底太刀打ちできない存在です。おまけに三度の飯より幼女が好きという変態で、ミーシャがいかに邪険にしようとあの手この手で構おうとしてきます。

 

その暴走ぶりたるや「お嬢様は私が守る!」とトンチンカンな使命感に燃え、なぜかメイド服を仕事着にして家の中を闊歩。ミーシャと仲良くなろうと正体を隠してネットゲーム内でフレンドになり、就寝中の彼女をキャンプへ連れ出して無理やり2人きりの状況を作り出す始末です。ミーシャでなくともウザい、そしてキモいと感じるだろうというものですが、実はつばめもミーシャくらいの齢に父親を亡くしており、それが自衛隊入りするきっかけになったことが明かされています。つまり2人は、片親を亡くす悲しみを体験した者同士。本来通じ合う要素は十分にあるはずなのですが、第4話まで視聴した限り、距離が縮まる気配はありません。

 

興味深いのは、ミーシャの生活スタイルが改善されていることです。つばめと一緒にいるよりマシ、と再び学校に通い始め、クラスではリーダーシップを発揮。鷲崎みみかという親友もでき、日がな一日ゲームざんまいだった少し前と比べれば大きな進歩と言えるでしょう。無自覚ながらも成長を見せる小学生女子と、彼女に変化をもたらした変態メイド。なんともデコボコな2人の関係から、今後も目を離せそうにありません!

 

 

公式サイト:http://uzamaid.com/

 


 

さて、冷蔵庫に入れておいたビールの500ml6缶パックも、いい感じに冷えてきた頃合いかと。

 

そろそろPCの電源を落として、アニメの未視聴分に取り掛かることにいたします。それでは、2018年秋期アニメの中盤を扱う、第5回にてお目にかかりましょう!

 

■過去の「アニメ鑑賞はビールとともに!」の記事はこちら

【2018年7月期アニメ感想7月篇】オタクライター・永田多加志のアニメ鑑賞はビールとともに!第1回
・【2018年7月期アニメ感想8月篇】オタクライター・永田多加志のアニメ鑑賞はビールとともに!第2回
【2018年7月期アニメ感想9月篇】オタクライター・永田多加志のアニメ鑑賞はビールとともに!第3回

 


								
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