
4月28日(土)より公開される『ザ・スクエア 思いやりの聖域』。こちらの記事でもお伝えしたように、北欧・スウェーデンを舞台に、思いやりや表現に関して、観る人の心に問いかける意欲作です。
4月12日(木)には、本作のイベント試写会がスペースFS汐留にて開催され、スウェーデン出身で日本に帰化された「イケメン庭師」として話題の村雨辰剛(むらさめたつまさ)さんが登壇。
日本とスウェーデン、両方の文化を深く知る村雨さんから、本作の魅力とそれぞれの文化に関して、トークが繰り広げられました!
日本から見たスウェーデン、スウェーデンから見た日本
庭師の衣装に身を包んで登壇された村雨辰剛さん。まずは『ザ・スクエア 思いやりの聖域』の感想を「日本から見たら福祉社会の印象がスウェーデンにはあると思います。しかし、その実際の問題をインパクトを持ちつつ、面白くしつつ取り上げている作品です」とコメント。ほかの国の文化を垣間見れるというのも、映画の魅力ですね。
村雨辰剛さんの生い立ちについても、ご本人の口から語られます。
村雨「小さい頃から、違う環境・文化に飛び込みたいと思っていました。歴史も好きだったので、長い歴史があるアジアの中から、孤立していた時期があるからこそ、独自の文化を持っている日本に興味を持ったんです。
始めのうちは自分にできることを仕事にしていたのですが、日本に慣れてきたときに、自分のやりたいことを仕事にしようとしました。日本の徒弟制度、親方や師匠という存在がいる現在の庭師の仕事に就いたんです」
帰化された際の日本名は、親方のお父様に付けてもらったとのこと。「今で見てきた名字の中で印象に残っているものということで、付けてもらいました。名前は、自分が辰年生まれということと、親方の剛という名前を頂いて、タツマサとしたんです」と村雨さん。
日本の良いところに関しては、「毎日和風庭園と関わって、綺麗な形で残っているのは思いやりの心の現れだと思います」と回答。映画の題名にも付いている「思いやり」について、「日本でたくさん感じることがあるのですが(庭師の仕事をしていると)10時と3時にはお茶を出してくれて、休んでくださいと言われるんです」とご自身のお仕事にまつわるエピソードが話されました。
さらに、実際に庭師の仕事をされて気付かれた日本の魅力について「本当に長い歴史があって、基本に忠実になって日本らしい文化を守って来られたことで、『わびさび』といった海外と全く違った美意識表現がある。素晴らしいです」と、異なる文化を知るからこそのお言葉も!
逆に違いに関しては、「スウェーデンでは仕事の場に、赤ちゃんがいるのも当たり前なんです。社会的に許されているので、それも女性に対する思いやりじゃないかなと思います」とコメント。
実際の映画でも、会議シーンで赤ちゃんを抱える男性が登場。何気ないシーンから、その国の文化や実情を感じ取れます。
本作の冒頭では、主人公が街中で助けを求める人に、悩んだのちに手を差し伸べるシーンが。スウェーデン人の特徴として、村雨さんは「冷たいわけじゃないですが、距離感を大事にしているんです」とコメント。日本人と近いところがあるんですね!
最後に、本作をこれからご覧になる方へメッセージ。
村雨「ブラックで包まずにそのまま表現する、スウェーデン映画らしい作品です。ストックホルム宮殿などの名所も出てきますよ」
フォトセッションでは、本作をイメージしたスクエアの枠を持たれての撮影も。こちらは観客の皆さんも撮影可能で、多くの方が撮影されていました。
日本とスウェーデン、2つの異なる文化と、だからこそ見えてくる人間の共通点。映画を通じて、それらをぜひ見つめてみてください!
『ザ・スクエア 思いやりの聖域』概要
『ザ・スクエア 思いやりの聖域』
4月28日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町、
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