アニメをめぐる冒険型コラム「アニメ・エンタープライズ」。

 

基本的には、毎日SWAMPERのエンタープライズ山田がアニメの四方山話をするコラムなのですが、これをご覧になっているということは、原稿が落ちたということです。

毎日書くということ

 

もちろん、スポンサーと毎日更新契約をして書いているわけではないので、落ちたからといってどうこうという訳ではないのですが、プロ野球でも続いていた連続試合出場が途切れたらなんだか騒がしいわけなので。代打のかわりに、こうした埋蔵原稿を用意しているので、実質落ちてもいないのですが、それはそれですね。

 

はい、という内容がない文章を書いていても仕様がないので、そもそもなぜ毎日書いているのかということを、この機に記しておきます。僕はSWAMPERとして、というかライターとして活動していますが、編集者の仕事も長くしていたので、自分で原稿を書くことよりもチェックすることが多かったんですね。書くことが好きですし、アニメ業界を志していたわりに絵心がなかったので、結果的に文筆業が生業となりつつあります。

 

アニメもそうですが、文章も、基本的には何もないところからものを生み出すこと。アニメであれば、絵を描いてそれを動かして、色をつけて撮影をして編集をして、放送にのせて、パッケージにして……。文章も、昔は原稿用紙、今ではPCに向かってカタカタとテキストを構成して記事にする。何かを生み出すということには、根本的には変わりがありません。

 

そして、得てしてものを生み出すということは、なかなかにしんどいのです。文字を書くのが、記事を作るのが好きで好きでたまらない、何時間でも書いていられるという人もいるかもしれませんが、僕はその域には達していないんですね。書くのは好きですが、同時にしんどい作業なんです。かの宮崎駿監督は、大事なことは面倒くさいと言っていましたが、面倒くさいんです、書くの。本当に!

 

僕は文字を書いて表現することしかできない人間です。絵やCGはそれができるだけでスキルと言えますが、文字は日本人であれば、だいたいの人が書くことができます。

 

誰でもできることで、誰でもできないことをする。こういうコラムは別として、記事を書くことが表現なのかという問題もありますが、それは置いておいて、とにかく誰でもできるけど誰でもできないことを追求しないと、僕の場合ダメだと思ったので、毎日書くということを1つの目標にしました。書くのが面倒くさいので、日課にして書くことにして、少しでも面倒くさくないようにしているわけです。

 

これは僕が憧れて尊敬しているアニメ雑誌編集者の方がやっていたことを、真似しているだけなのですが、やっぱり大変です。でも大変でも、こうして原稿が落ちたとしても、また次の一歩をすぐに踏み出すということは、意外と簡単にできることではないのではないか、と思えるくらいには人生経験を積みました。

 

今後も原稿が落ちることがあるかもしれませんが、そのときはこうして、そのときだからこそ陽の目を見ることができる文章がお目見えします。

 

>次コラム

第13回 『機動戦艦ナデシコ』

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