『リズと青い鳥』は、2人の女の子の物語

 

――(取材時の)お2人の手元にあるアフレコ台本には、山田尚子監督とお話しされた内容がびっしりと書かれているのでしょうか?

 

東山:アフレコが始まる前に、30分ほど監督から、この作品で伝えたいことを聞いて、メモ書きしたものですね。

 

――中でも印象的だったことは、どんなことでしょうか?

 

種﨑:話してくださった中では、「希美とお話しする瞬間は、(常に)クライマックス・最終回の気持ちでいてほしい」ということを言って頂いたんですけれど、一番私がこういう作品にするんだと腑に落ちたのは、「すべてのものは傍観者。風も木も空も、2人を見守っている」ということなんです。傍観者なので、みぞれは観られている側になるんですけれど、そういう作品になるっていう意識は、持っていようと心がけていました。

 

――TVシリーズのときとは、異なる意識なんですね。

 

種﨑:そうですね、登場人物がたくさんいる中の部活動を描いていて、『リズと青い鳥』は、2人の女の子の物語なので、描き方も描かれていることも繊細なんです。

 

心の気持ちの変わり様が、細かく積み重なっていく作品なので、ここをこうしようと細かく気を付けるんじゃなくて、全体としてそのスタンスで見守っていようと思いました。

 

――『リズと青い鳥』では、従来の『響け!ユーフォニアム』シリーズから、キャラクターデザインが西屋太志さんに変わり、より繊細なタッチで描かれるキャラクターにファンも驚いたと思うんです。「部活の話から2人の女の子の話になる」というところで、明確に演じるうえでのアプローチも変わったのでしょうか?

 

東山:我々としては、絵に声を当てているというよりは、人物に当てている気持ちなので、デザインが変わったから(演技を)変えようというのは、あんまりないんです。けれど、希美に関しては、ちょっと等身が上がったり、作品自体が静かな雰囲気で描かれているので、TVシリーズの元気ハツラツというテンションから、ちょっと周りに合わせていますね。テイストを作風に合わせたというのはありますけれど、希美は希美らしく元気さを感じていただけると思います!

 

――たしかにおっしゃるとおり、よりみぞれや希美の本質を描くため、心のわずかな揺らぎや動きを表現した姿になっているのだと感じました。たとえば、みぞれの髪の毛1本1本が少し乱れるところから、これまで以上に繊細な感情を表現しようとしている。

 

種﨑:私も絵が変わって芝居が変わるということはなかったのですが、おっしゃるとおり髪の1本1本、瞳の動きまでも、全部が儚くなったというか。より人間味が増した印象を受けたので、アニメ作品の中で演じている感覚はあまりなく、より人間の心理のまま、心のままに演じようという意識が、本作では、強くなったと思います。

 

 

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