皆さんごきげんよう、ライターの永田多加志です。

 

「涼しくなってもビールは継続! 年中無休! たとえ風邪になろうとも!」

 

……いや、先日引いた時はさすがに控えました、ハイ。10月に入り、もう第1話が放送された秋期アニメもあるでしょうが、新作そろい踏みには少し早い。追い続けてきた夏期アニメ4本の総まとめをするには、絶好のタイミングです。本コーナーの第3回目では、最終回まで観てない方のために完全なネタバレは避けつつ、ビールが美味くなること請け合いな内容と魅力について語っていきましょう!

 

■前回の「アニメ鑑賞はビールとともに!」はこちら

 

ついに判明した「アタシ再生産」の意味! 孤絶したひかりを救うため、華恋が繰り出す奇跡のレヴューとは……!? 『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』

 

演劇の学び舎・聖翔音楽学園の地下で行われている、愛城華恋(あいじょうかれん)たち舞台少女9人によるオーディション。しゃべるキリンが審査をし、レヴューという名のデュエルによって勝敗を決めるこの催しも、大詰めを迎えます。アニメ中盤では、優勝者には奇跡すら与えられるも、敗退者たちは舞台少女にとって大切なきらめきを失うという衝撃の事実が発覚。華恋の幼なじみ・神楽ひかりが過去の参加者で敗退者だったことも明かされました。

 

オーディション最終日、キリンは新形式によるレヴューを提示します。それは華恋、ひかりを含めたランキング上位4名による、2対2のタッグマッチ。これは華恋とひかりのペアが相手チームに勝てば、華恋の願いである「2人で一緒にスタァになれる」可能性を意味しています。そして、華恋とひかりはなんとか勝利! ハッピーエンドなるかというところで、無情にも優勝者1人を決めるラストレヴューの開幕となります。

 

事件はここで起きました。突如、ひかりは華恋に不意討ち攻撃。勝利条件であるカフスボタンを切り落とすことで、優勝者の座に着いたのです。まさかの裏切り――ではありません。華恋のきらめきを奪わせないため、閉ざされた世界で永遠に孤独な舞台を演じ続ける。それがひかりの選択でした。行方不明となった彼女を必死に探し出した華恋は、そんなひかりを真っ向から否定します。

 

はたして、華恋はひかりを救い出すことができるのか? できるとすれば、どんな方法なのか? 未視聴の方もいるのでここまでにしますが、長らく謎だったフレーズ「アタシ再生産」に関わるもの、とだけ言っておきましょう。

 

視聴前は、等身大の青春群像劇として鬱展開すら予想された本作。演劇学校が舞台で少女たちはトップスタァを目指すと来れば、夢や希望だけでなく、失望や劣等感、嫉妬といった感情も扱われると思われたからです。そんな定石をあえて外し、舞台少女たちの心象から成るレヴューとしてケレン味たっぷりに描いたことに、本作の特色はあります。良し悪しを論じる資格は私にはありませんが、趣向の異なるさまざまなレビューのオンパレードを大いに堪能させていただきました。

 

そう、大団円を迎えながら、早くも「結末の続き」が観てみたくなるほどに……。

 

公式サイト:https://revuestarlight.com/

 

「いい最終回」のさらにその先へ――主義も主張も、恨みすら超えて「龍」に挑むクライマックス! ロボットアニメ『プラネット・ウィズ』

 

地球人の進化に終止符を打とうする、ネビュラの封印派。同じネビュラだが、地球人を見守るべきとする穏健派。地球の代表として、ネビュラに徹底抗戦する超能力者組織・グランドパラディン。この三すくみの状態は、穏健派と行動するシリウス人の少年・黒井宗矢がグランドパラディンを倒した中盤の流れを経て、ネビュラ同士の対立へと構造を変えます。

 

そもそも宗矢の戦ってきた理由は、彼の故郷を滅ぼした「龍」の力がグランドパラディンの超能力と関わっていたため。目的を失くした今、地球の行く末と宗矢には関わりがなく、実際彼は戦意喪失に陥ります。そんな折、ネビュラ封印派による封印装置の発動で、穏健派の「先生」たちもろとも全地球人が眠りに落ちる事態に! 地球上で覚醒しているのは自分のみという状態で、「なんとかしたい」思いが宗矢を突き動かします。彼の呼びかけに地球人の多くが応えてくれたことにも背中を押され、宗矢たち穏健派は再び戦場に復帰。ロボット同士による激しい一騎撃ちの末、ついに封印派のボス「閣下」を下し、封印装置の破壊に成功しました。

 

「いい最終回だった!」と、誰もがそう思ったでしょう。逆に言えば、ここが本作のハイライトであり、残り2話にこれ以上の盛り上がりは無いだろうと。違ったのです!

 

戦いから5年が過ぎた地球。宗矢の故郷・シリウスを滅ぼし眠りについていた「龍」が目覚めます。この宇宙規模の事態に対し、ネヴュラの穏健派と封印派、さらに元・グランドパラディンのメンバーまでもが共闘。宗矢は復讐心でなく、仇敵「龍」を孤独から救うという新たな信念のもと参戦しました。はたして、その結果は……? 未視聴の方もいるのでここまでしますが、「いい最終回」以上の盛り上がりだったことは間違いありません!

 

振り返れば、宇宙船や戦闘ロボット、怪物に着ぐるみ生物と、現実から程遠い要素ばかりの作品ながら、びっくりするほど世相に切り込んだストーリーでした。他人のことなど理解できない、それどころか許せない。私こそが正しい。誰しも自分中心に世界を見る現状に対し、歩み寄れる可能性を示唆し、赦すことの大切さを説き、物事の多角的解釈に言及する。この作品を観た後なら信じられます。「宇宙は祝福に満ちている」と。

 

公式サイト:http://planet-with.com/

 

ラストは大スペクタクル!? 未曽有の危機が赤血球たちを襲う――体内細胞擬人化アニメ『はたらく細胞』

 

体内細胞擬人化アニメとして、赤血球のお姉さん・AE3803や白血球のお兄さん・U-1146など、人間の姿で登場する細胞たちの仕事風景を描いた本作。反りが合わずに衝突しがちなヘルパーT細胞とキラーT細胞の過去が明かされたり、我々人間にとって今夏は特に脅威だった熱中症について扱われたりと、終盤もバラエティ豊かなエピソードが続きます。

 

トリを飾ったのは、初の前後編となった「出血性ショック」にまつわるストーリー。AE3803が後輩赤血球の教育係を任されるも、相変わらずドジばかりという状況下で、それは起こります。町全体を揺るがす大爆発。気を失っていたAE3803が再び目を開けた時、周囲一帯は廃墟と化していました。程なくして、生命に関わるレベルのダメージを確認との放送が! 頭部付近の組織、血管が激しく損傷しているそうです。

 

危機的状況を知ってなお、免疫細胞たちは意気軒昂。自らの仕事を果たすべく邁進していきます。しかし、時間経過とともに状況はみるみる悪化。特に赤血球たちが出血によって大量にいなくなってしまったため、酸素を運ぶ要員が不足します。AE3803と後輩赤血球が一生懸命酸素運搬に勤しむも、到底追いつきません。折しも体温低下で猛吹雪となり、ここでしっかり者に見えた後輩赤血球の心が折れます。この身体はもうダメなのだ、と。それでもAE3803は「最後まで酸素を運ぶよ」と決然たる意思を表明。視界も足場も悪い中、フラフラになりながら進み続け、ついに力尽き、倒れました。はたして、彼女の運命はーー? まだ観てない方のために、ここまでとしておきましょう。

 

振り返ってみれば、擬人化による学習アニメというのは、あくまでも本作の一側面という気がします。むしろ、細胞の名前を冠したキャラクターたちによる群像ドラマこそメインなのだ、と。ドジっ娘・AE3803の成長や、彼女とU-1146の立場を越えた友情を描き、がん細胞の青年までも同情に足る存在として扱うのを見れば、私の分析もそう的外れでは無さそうです。

 

いずれにせよ、この愛すべき細胞たちの働きに感謝したならば、健康について見直さなくてはなりませんね。……むろん、私も含めて。

 

公式サイト:https://hataraku-saibou.com/

 

あおいとひなたの関係修復はあるか? 波乱含みのダブル登山で転機到来『ヤマノススメ サードシーズン』

 

ゆるふわアウトドアアニメの第3期目。序盤および中盤では、メインキャラであるあおいとひなたの変化が描かれました。あおいは富士山登頂という目標ができて、見違えるほどのアクティブさを発揮し出したこと。反対にポジティブなはずのひなたは、幼なじみのあおいが離れていくようで、無自覚な寂しさに苛まれるようになります。ぎこちない状態が続いていた折、山友だちのかえで、ここなを加えたおなじみの4人で瑞牆山(みずがきやま)と金峰山(きんぷさん)のダブル登山に挑戦することに。

 

出発当日、電車の時間ギリギリという遅さであおいとここなが現れたことで、ひなたの苛立ちは限界を超えます。怒りの矛先は当然あおいへと向かい、「山を甘く見てるんじゃないの!?」とまで言い放ちました。以降、ひなたはずっと強硬姿勢で、最初の瑞牆山では先導役に選ばれたあおいに従わず、独自の登り方をする始末。

 

そんなひなたに、ふとした失敗から膝を痛めるアクシデントが襲います。瑞牆山ではなんとか痛みに耐え、隠し通すことに成功しますが、翌日の金峰山ではついにみんなの知るところとなりました。はたして、その後の展開は……? 未視聴の方のために、ここまでとしておきましょう。ただ、アニメ第2期目で、富士山登頂に失敗したあおいの体験が、ここで活きてきたようです。

 

最終話まで観て改めて感じるのは、『ヤマノススメ』は山登りの楽しさだけを扱った作品ではないということ。落ち込んだりすれ違ったりという体験も含めて醍醐味であり、けれども最後は「山っていいよね」という気持ちになる。そんなメッセージ性に近いものが、本作にはある気がします。

 

終盤は瑞牆山や金峰山がメインの舞台になりましたが、山中の描写はリアルで臨場感もたっぷり。序盤から安定のクオリティで、第3期も聖地巡礼アニメとしての魅力がいかんなく発揮されていました!

 

公式サイト:http://www.yamanosusume.com/

 

 

さて、冷蔵庫に入れておいたビールの500ml6缶パックも、いい感じに冷えてきた頃合いかと。連載が終了しても、アニメを観ながらのビールライフは続きます。

 

……とご挨拶するつもりだったのですが、ありがたいことに本コーナー、今後も継続することが決定いたしました! というわけで次は、2018年秋期アニメの序盤について扱います。それでは第4回にて、またお目にかかりましょう!

おすすめの記事