皆さんごきげんよう、ライターの永田多加志です。

 

「今年の目標、ビールを控える!」 

 

…………無理ですね、ハイ。ここは現実的かつ順当に、『アニビー』に全力投球! がベストかなと。

 

2019年も早1ヶ月が過ぎ去り、その間にスタートした新作アニメも各々の特色が見えてきた印象です。新年初となる本コーナーでは、さっそく気になる4作品をピックアップ。序盤の展開にスポットを当てつつ、ビールが美味くなること請け合いな内容と魅力について語っていきましょう!

 

 

■前回の「アニメ鑑賞はビールとともに!」はこちら

 

空を舞台にした西部劇!? 2Dと3Dの合わせ技が独特な『荒野のコトブキ飛行隊』

 

一面の荒野が広がる世界で、雇われ用心棒を生業とするキリエたち女の子6人の活躍を描いた、『ガールズ&パンツァー』の水島努監督が手がけるオリジナル作品です。用心棒といっても、6人が操るのは銃や刀剣ではなく戦闘機! パイロットである彼女たちコトブキ飛行隊が、天敵の空賊を相手に日夜空中戦を繰り広げるストーリーになっています。現在第3話まで放送され、コトブキ飛行隊と会社とは名ばかりの荒くれ者集団・エリート興業とのバトルが開幕しました。

 

まず気になったのは、そのタイトル。荒野とあるけど、飛行機を扱う以上空がメインではないのか? もっと言うと、地上が荒れ果てている設定の必然性がわからないなと。

 

実際に観てみて、納得しました。OPテーマの導入には、口笛の音色。ヒロインたちが食事をする酒場は、ウェスタンチックな内装です。別席の男たちは、ビール片手にトランプに興じている。この雰囲気は、そう西部劇です! ただし、見せ場は街中での銃撃戦や荒野の決闘ではなく、戦闘機対戦闘機の空中戦。地上における西部劇のテイストを、空へ持ち込んだわけですね。空中戦のアクロバティックさや、相手機の背後を取るための駆け引きも魅力ですが、それも一見ミスマッチな趣向あってこそだと思います。

 

もう1つ触れたいのは、2Dと3Dの特殊な使い方。一般的な作品であれば、通常のシーンは2Dでバトルシーンは3Dという具合に棲み分けがなされるものですが、本作は違います。キリエたちヒロイン6人は、会話をするだけの何気ない場面でも3D造形となっている。そればかりか、彼女たち3Dキャラと2Dによる敵キャラやゲストキャラを、平気で同じ画面内に登場させています。では6人は常に3Dなのかというと、それも違う。普通に2Dの姿で描かれることもあれば、いち酔っ払いが3Dキャラになっていてポカンとさせられたりもします。法則性がないと断じていいのかはわかりませんが、少なくともフリーダムに見える。賛否が分かれかねない試みですが、斬新なのは間違いないでしょう。

 

特殊な趣向や画面作りの一方で、6人の背景はまだほどんど語られていません。空賊に対するスタンスもメンバーで温度差があるようですし、今後彼女たちのパーソナルな部分がどこまで描かれるかも注目していきたいですね!

 

公式サイト:https://kotobuki-anime.com/

 

たつきカラー全開の3Dアニメ! 謎だらけの世界で恋の予感も!?『ケムリクサ』

 

『けものフレンズ』で一躍有名になったクリエイター・たつきさんが、原作・監督・脚本を兼任する期待の3D作品。満を持して、放送開始となりました。さっそく紹介を…といきたいところですが、世界観・ストーリー・キャラクターのいずれも、公式が語るのは最小限。アニメを実際に観て得た断片的な情報を、列挙していくしかありません。

 

まず舞台ですが、終末期でも訪れたように一面の廃墟と化した世界で、人気はまるでない。代わりに跋扈(ばっこ)しているのはムシ、あるいはアカムシなるクリーチャーです。メインキャラは、りん・りつ・りなの姉妹。発光する不思議な草・ケムリクサを所持する彼女たちは、貴重な資源である水を求めてサバイバル生活をしている、というあらましのようです。

 

私を含め、『けもフレ』の雰囲気を体験済みのファンには、ご褒美のように謎だらけ! 今回も考察がはかどりそうです。謎だらけの世界観で、視聴者が置いてけぼりにならないための工夫も確か。その象徴となるのが、姉妹3人が出会った謎の少年・わかばの存在です。自分の名前以外わからないという彼は当然この世界について何も知らず、まさに視聴者の立場と重なります。好奇心旺盛なわかばの目線になることで、物語に入り込みやすくなるのですね。と、同時に観ている我々が未知のものに対してポジティブになれる側面もある。

 

また、彼がキーパーソンであるのは間違いないようです。役割の一端を覗かせたのは、姉妹の1人・りんとの関係。わかばと行動を共にする中で、りんはいつしか彼の何気ない言葉やちょっとした仕草を意識する様子を見せ始めました。我々ならすぐ恋だとわかりますが、本人は初めてのことに身体の異常を疑っています。興味深いのは、りつとりなが持つ特殊能力は、それぞれが「好き」なものと密接に関わっている点。そしてりんだけは、いまだに能力がない。りんの抱き始めた気持ちが、能力の発現につながるのかどうかも注目されます。

 

執筆段階で、第4話まで放送された本作。一行が新天地を求めて移動をする中で、物語はロード・ムービーの様相を見せ始めました。希望ある道程とは言えないものの、彼女たちの行く手に何が待つのか大いに気になる! 引き続き、追いかけていきたいと思います。

 

公式サイト:http://kemurikusa.com/

 

複数の視点から紡がれる群像劇ーー約20年越しに魅力を再発見する『ブギーポップは笑わない』

 

「世界の敵」と戦う死神をめぐる群像劇にして、不朽の名作ライトノベルである『ブギーポップ』シリーズ。第1作目の刊行から約20年の時を経て、2度目のTVアニメ化となりました。本稿の執筆段階で、第5話までオンエア。人を食らう怪物・マンティコアにまつわる事件に続き、新たな敵・イマジネーターが登場しています。私は10代の頃に原作を読んでいるので追体験という形になりますが、当時は「よくわからないけど惹かれる」止まりだったの対し、今はその理由が明瞭です。

 

特徴的なのは、1つの出来事を多角的に描いた構造。例えばマンティコアの事件では、当初、1人の少年・竹田啓司を中心に話が進みます。通っている学園で女子が相次いで失踪する中、啓司が出会ったのは恋人・宮下藤花の別人格であるブギーポップ。自分を「僕」と呼ぶ「彼」は二度三度啓司の前に現れますが、思わせぶりなことを言うだけ言って姿を消します。そして啓司の平凡な学園生活が戻り、これで彼目線のストーリーは終了です。

 

しかし、藤花の友人・末真和子の視点では、別の様相を呈している。彼女は正義の味方を自称する美少女・霧間凪との関わりを通じて、事件の一端に触れることになります。一方、凪に振られた少年・早乙女正美は、マンティコアとの出会いをきっかけに道を踏み外し……という具合に、複数の視点を経過して、初めて全容がわかる仕組みになっているのです。物語をさまざまな角度から切り取る趣向! その凄さに気付くには、あの頃の自分は若すぎたようです。

 

また、本作における教師たちの描かれ方は、非常に悪意があります。生徒たちの失踪1つをとっても、不良のケースでは心配もせず、優等生の場合は悩みがあるとは思えない、と訝しがる。洗脳されて感情を失くした少年・安能慎二郎の担任に至っては、相手の事情も知らず「余計なことを考えなければ(勉強が)できるじゃないか」と言い放ちました。なまじ悪気がないだけに、ヒドさが際立つ言動の数々! 10代の自分は原作を読んで、大いに感情を揺さぶられたものです。こうした部分もまた、鬱屈した思いを抱えた当時の中高生に支持された要因でしょう。

 

今の若年層がどう感じるかはわかりませんが、私のような直撃世代は、引き続き本作の魅力を再発見していくことになりそうです。

 

公式サイト:http://boogiepop-anime.com/

 

メンドくさい男女が繰り広げる、果てなきせめぎ合いの行方は? バトル風味の新感覚ラブコメディ『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』

 

赤坂アカさん原作の同名コミックがTVアニメ化を果たしました。舞台は、未来を嘱望された若きエリートたちが通う秀知院学園。その中心とも言うべき生徒会の副会長・四宮かぐやと会長・白銀御行(しろがねみゆき)は相思相愛……というか、互いに「付き合うならこの人」と考えている間柄です。周囲からもお似合いに見られており、すぐにでも恋人関係を築けそうなもの。なのにそうならないは、2人ともプライドが高く、自分から告白できないのです。付き合いたいけど、相手より下の立場になるのは嫌だ。などと思っている内に半年が過ぎ、かぐやも白銀もいつしか「いかに相手に告白させるか」ばかり模索するようになってしまった、という次第です。

 

素直になれない男女のもどかしい距離感を描くのはラブコメの王道ですが、心理戦という要素を取り込んだところが新感覚と言えるでしょう。両者とも、相手が自分に気があることは微塵も疑っていない。したがって、彼(彼女)の気持ちがわからず不安になる、という甘酸っぱい雰囲気にはならず、腹の探り合いがメインになります。その内容が毎回バラエティに富んでいるんですね。

 

例えば映画の誘い1つにしても、男女で観に行くと結ばれるジンクスがあるせいで、どちらから切り出すかが問題になる。かぐやは白銀を、白銀はかぐやを折れさせようと話術を駆使し、策をめぐらすのです。この心理バトルには毎回オチがつき、勝敗が決まったり痛み分けになったり、また持ち越しなんてことも。1話3本立てということもあり、3話放送の執筆時点で、既にいろいろなパターンが楽しめています。

 

では、本作において恋愛は二の次かというと、そうでもないのですね。この不毛とも思えるやりとりを通じて、かぐやも白銀も明らかに本気になっている。本気というのは、恋に対して真剣だと換言できます。もし簡単に彼氏彼女の関係になっていたら、2人とも自分に見合った恋人を手に入れたという自己満足で終わっていたでしょう。なまじ思い通りにならないことが、恋愛感情の醸成につながっている。ここが侮れないところです。

 

今後どんな心理戦が繰り広げられるのか実に楽しみ! メンドくさい2人の関係から、目を離せそうにありません。

 

 

公式サイト:https://kaguya.love/

 


 

さて、冷蔵庫に入れておいたビールの500ml6缶パックも、いい感じに冷えてきた頃合いかと。そろそろPCの電源を落として、アニメの未視聴分に取り掛かることにいたします。

 

それでは、2019年冬期アニメの中盤を扱う、第8回にてお目にかかりましょう!

 

■過去の「アニメ鑑賞はビールとともに!」の記事はこちら

【2018年7月期アニメ感想7月篇】オタクライター・永田多加志のアニメ鑑賞はビールとともに!第1回
・【2018年7月期アニメ感想8月篇】オタクライター・永田多加志のアニメ鑑賞はビールとともに!第2回
【2018年7月期アニメ感想9月篇】オタクライター・永田多加志のアニメ鑑賞はビールとともに!第3回
【2018年10月期アニメ感想10月篇】オタクライター・永田多加志のアニメ鑑賞はビールとともに!第4回
【2018年10月期アニメ感想10月篇】オタクライター・永田多加志のアニメ鑑賞はビールとともに!第5回
【2018年10月期アニメ感想10月篇】オタクライター・永田多加志のアニメ鑑賞はビールとともに!第6回

 


								
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