皆さんごきげんよう、ライターの永田多加志です。

 

「唐突ですが、私、脱いだらスゴいんです! ……ビール腹が」 

 

さすがに危機感を覚えて筋トレなんぞ始めたところ、アパートの床が軋み出しました。なんでだよ!?

 

さて、新年の実感も薄れゆく中、気付けばもう3月。1月期アニメの多くが折り返しとなりました。中盤の展開を追う本コーナーでは、特異な作風に惹かれるタイトルが新たにランクイン。序盤に続いて扱う3作品と併せ、ビールが美味くなること請け合いな内容と魅力について語っていきましょう!

 

 

■前回の「アニメ鑑賞はビールとともに!」はこちら

 

空戦アクションだけじゃなかった! ヒロインたちのユニークな会話劇も冴える『荒野のコトブキ飛行隊』

 

戦闘機を操り、空賊を相手に日夜バトルを繰り広げる女子パイロット集団・コトブキ飛行隊の活躍を描いた本作も中盤です。レオナやキリエ、ケイトといった隊員の当番回を設けながら、彼女たちの内面をクローズアップ。この世界とは別のユーハングなる場所からの来訪者が戦闘機をもたらしたことや、彼らはすでに帰還し、通ってきた「穴」も塞がったことなど、新事実も判明しました。

 

序盤に引き続き、実在する戦闘機によるアクロバティックな空中アクションは必見! 本稿の執筆段階で第7話までオンエア済みですが、今のところ各話に必ずバトルシーンを盛り込む徹底ぶりです。戦いの舞台は、自由に飛び回れる大空や動きの制限される渓谷や雲海などさまざま。一機対一機の勝負あり編隊同士によるバトルありと、パターンも複数用意され、趣向を凝らしていることが伺えます。

 

しかしながら、本作のウリは戦闘機バトルだけはないなと感じたのも、中盤における印象でした。というのも、ヒロインであるコトブキ飛行隊メンバーのセリフ回し。これが非常に独特なのです。たとえば第5話で、隊長・レオナに好きな男がいるのでは? と疑った隊員のチカやケイトたちが、レオナの旧友・ザラに詰め寄る場面を挙げてみると、

 

チカ「知らないの? 知ってるの? 知ってて知らない振りしてるの、どっち?」

ザラ「答えは一番」

ケイト「つまり、知らない」

(中略)

ザラ「あー、でも嫌いなことなら知ってるかも」

チカ「なんなに?」

ザラ「借金が嫌い」

 

以降チカが「借金なんて踏み倒せばいんだよ!」とのたまい、ケイトが「驚愕の経済論」と呆れる奇妙な流れに。こんな具合に、毎度ユニークな会話の応酬がスピーディに展開するのです。

 

当初は気付きませんでしたが、本作には会話劇としての側面もある。萌えオタの私が萌え要素控えめなヒロインたちに惹かれるのも、絶妙なトークが形作る空気感ゆえだと自覚しました。今後、メンバーのバックボーンが明かされていけば、彼女たち個人個人への思い入れもより深まっていくのかなと思います。

 

第7話のラストでは、空賊を率いる黒幕とおぼしき存在も匂わされ、いっそうの盛り上がりが期待される本作。今後とも目を離せそうにありません。

 

公式サイト:https://kotobuki-anime.com/

 

 

予想を裏切るキャラクターの変化とストーリー展開――「笑顔」の異なる、ダブルヒロインの対峙はあるか?『エガオノダイカ』

 

創立55周年を迎えるタツノコプロ企画のオリジナルアニメで、その特異な作風からしだいに目が離せなくなったタイトルです。

 

舞台は新エネルギー・クラルスをめぐって対立する、ソレイユ王国とグランディーガ帝国。王国の君主である少女・ユウキと帝国の女性兵士・ステラによる2つの視点から、苛烈な戦況が描かれます。また、フックとして扱われるのが、「笑顔」という要素。屈託ない「笑顔」のユウキが世界中を幸せにしたいと考える一方、ステラは自分を守るため偽りの「笑顔」を形作るという具合に、異なる意味付けがなされています。

 

若干つかみどころのない作品で、それが特異さにもつながっていますが、注目したいのは予想を裏切るキャラの変化やストーリー展開! 当初ユウキは、戦争の事実さえ知らされない温室育ちでした。それが幼なじみ・ヨシュアの戦死をきっかけにすべてを悟り、人が死ぬのはもう嫌と考える。

 

ここまでは予想できましたが、その後彼女はどうしたか? 王国軍の陣頭指揮を執り、知略によって圧倒的多数の帝国軍を相手に善戦します。それも、両軍の犠牲者を最小限に抑えながら。通常の作品なら、ユウキのようなタイプは理想に固執するか、一転してリアリストになるかの二極化に陥りそうなもの。それが才能ありきとはいえ、信念を守りつつ結果も出す、柔軟な実力者へと成長するとは!

 

キャラクターもさることながら、ストーリーも定石から外れています。本稿の執筆現在で第8話まで放送されていますが、ダブルヒロインであるユウキとステラが、なんと未だに出会ってない状態! ユウキがモニター越しに敵兵としてのステラを見たり、ステラがユウキの育てたひまわりを発見したりと接点はあるものの、現状では相手のことを知らないままなのです。物語の根幹をなす「笑顔」のスタンスが両者で違う以上、互いの想いがぶつかるシーンは必要不可欠のはず。その機会もないままエンディングということは、ちょっと考えられないのですが……。

 

第8話では、争いの原因であるクラルスの危険性が判明し、戦局に変化が生じる可能性が出てきました。とはいえ私の固い頭では、これ以上の予想はもはや不可能。おとなしく物語の続きを待つことにします。

 

公式サイト:http://egaonodaika.com/

希望の新天地で更なる脅威到来! 喪失の哀しみが確かな絆を形作る――3Dアニメ『ケムリクサ』

 

終末期を思わせるディストピア世界を舞台に、不思議な草・ケムリクサを有するりん・りつ・りなの姉妹と謎多き少年・わかばの旅路を描く3Dアニメ。『けものフレンズ』で名高いたつき監督による期待の同作も、第8話まで放送されました。ついに一行は、新天地である七島に到着。貴重な資源である水を確保できて喜んだのも束の間、すぐ先は天敵・アカムシであふれていることが判明します。さらに、わかばに懐く不思議なロボットの集団が活路を開くため犠牲になる、悲痛な展開にもなりました。

 

観ていて感じたのは、潮目が変わったな、ということ。これまでも決して希望ある道程ではなかったものの、姉妹たちは前向きで、わかばに至っては能天気ですらありました。鬱テイストの画面に反して、雰囲気は決して暗くない。また、過去の犠牲についての言及はあっても、リアルタイムでの死は扱われていませんでした。

 

私を含め、多くの視聴者が油断していたであろうタイミングでの別れ。しかも、機械としての役割を全うしただけ、という慰めが利かない演出もまた、用意されています。生き残ったリーダー格のロボットが、号泣するわかばに見せるテキストメッセージ「ナゼ ナク? ミンナ カンシャ(なぜ泣く? みんな感謝)」の哀切さたるや! 彼らはわかばのため、喜んで殉じていったことがわかり、目頭を熱くせずにはいられなくなります。

 

いつも笑顔のわかばが涙を見せたこともですが、それ以上に驚いたのは、彼がりんに対して怒りの感情を露わにしたこと。それも「お前は、私たちが死んでも泣くのか?」という彼女の問いに、「当たり前でしょ!」と激高する形で。これがきっかけで、一時はわかばを敵視さえしていたりんが彼を大切な存在と認める流れは、実に心憎いと言わざるを得ません。喪失を体験して絆を深めた一行の行く手に待ち受けるのは、新たな希望か? いっそうの絶望か? 不安も募りますが、最後まで見届けたいと思います。

 

……それにしても、第8話のCパートから間髪入れず流れた、「どん兵衛」とのコラボCMアニメにはズッコケました。おかげで余韻が雲散霧消! それでも、買いに行くかと思ってしまうあたり、術中にハマった気もするのですが。

 

公式サイト:http://kemurikusa.com/

 

心優しき書記ちゃんは、恋愛脳で意外にシビア!? ネガティブな会計も加わって、掛け合いの楽しさが増す『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』

 

相思相愛だがプライドが邪魔して交際に至らず、「いかにして相手から先に告白されるか」ばかりを考えるようになった男女。そんなメンドくさい2人をめぐる新感覚のラブコメディが、執筆現在、第7話まで放送となっています。

 

問題の2人である生徒会副会長・四宮かぐやと会長・白銀御行(しろがねみゆき)の不毛な心理戦は、絶賛継続中。その傍ら、お互いの猫耳姿に大興奮したり、相合傘で下校したりと、実態はラブラブそのものになっています。また、書記・藤原千花のパーソナルな部分も描かれ始め、会計の石上優が初登場するなど、脇役にもスポットが当たる流れとなりました。

 

びっくりなのは、次々と明らかになる千花の意外な一面です。序盤における彼女の印象は、無邪気で心優しい性格。やや天然な部分はあるものの、腹に一物ある会長と副会長に対し、生徒会の良心だと思っていました。

 

……完全に誤解でしたね。彼女も大概だと言わざるを得ません! ラブ探偵を自称し、他人の恋バナに首を突っ込む。生徒会へ恋愛相談にやって来た女子には、的外れなアドバイスを堂々としています。運動音痴な白銀の特訓に付き合う場面では、普段とは別人のような鬼コーチぶりを発揮。正当な理由こそあるものの、男子に笑顔で「キぃモ~」と言い放つ辛辣さも見せています。もちろん彼女が良い子であるのは間違いないですが、ここまで印象が変わるとは思いませんでした。

 

予想と違ったという意味では、新キャラとなる会計・石上優も同じです。当初、彼はかぐやの暗黒面を知ったことで過度に彼女を恐れる、いわば被害者ポジションでした。それが程なくして、根っからのネガティブ気質な上、デリカシーも欠如していると判明。体育会系の男子全般に対する私怨やカップルへの憎悪も凄まじく、これまたぶっ飛んだタイプと来てる。つまるところ生徒会は、厄介な連中の集まりというわけですね。

 

だだ見方を変えれば、それは主役クラスだけでなく脇役のキャラ立てもしっかりしているということ。多様性を持つメンバーによる掛け合いの妙味も、恋愛頭脳戦ともども本作の魅力になったと言えるでしょう。かぐやと白銀の恋の行方はもちろんながら、今後は脇役との絡みにも着目していきたいですね!

 

公式サイト:https://kaguya.love/

 


 

さて、冷蔵庫に入れておいたビールの500ml6缶パックも、いい感じに冷えてきた頃合いかと。そろそろPCの電源を落として、アニメの未視聴分に取り掛かることにいたします。

 

それでは、2019年冬期アニメの終盤を扱う、第9回にてお目にかかりましょう!

 

■過去の「アニメ鑑賞はビールとともに!」の記事はこちら

【2018年7月期アニメ感想7月篇】オタクライター・永田多加志のアニメ鑑賞はビールとともに!第1回
・【2018年7月期アニメ感想8月篇】オタクライター・永田多加志のアニメ鑑賞はビールとともに!第2回
【2018年7月期アニメ感想9月篇】オタクライター・永田多加志のアニメ鑑賞はビールとともに!第3回
【2018年10月期アニメ感想10月篇】オタクライター・永田多加志のアニメ鑑賞はビールとともに!第4回
【2018年10月期アニメ感想10月篇】オタクライター・永田多加志のアニメ鑑賞はビールとともに!第5回
【2018年10月期アニメ感想10月篇】オタクライター・永田多加志のアニメ鑑賞はビールとともに!第6回
【2019年1月期アニメ感想1月篇】オタクライター・永田多加志のアニメ鑑賞はビールとともに!第7回

 


								
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