アテネ・フランセ文化センターとユーロスペースとの共同プロジェクトとして1997年にスタートして以降、これまでに多くの映画人を輩出してきた映画美学校。「脚本コース」第9期初等科(前期:4月26日〜10月5日)の開講に先立ち、3月16日(土)に開催されたオープンスクールを終えたばかりの金巻兼一さんと宇治田隆史さんに伺ったインタビュー後半では、具体的に「脚本家になるためには?」「いざ脚本家デビューを果たしたあとは?」といった実践的なことを中心に「脚本家のリアル」に迫りました。

 

◆前編はこちら

 

作品全体における脚本家の役割とは?

 

 

ーー脚本が仕上がったあとは、脚本家はどのように制作現場に関わっていかれるのでしょうか?

 

宇治田:一旦手放しちゃったら、あとは修正で呼ばれるくらいですね。

 

金巻:脚本家って、映像制作の現場の中で不思議なポジションなんですよね。ずっと外様という。

 

ーー脚本家は立ち上がりの大変な役割を担っていながら、誰よりも先に現場を抜けて行きますよね。

 

金巻:そう。だから「打ち入り」や「打ち上げ」のパーティーで、ポツンと浮いちゃうんです。

 

宇治田:居場所がないですよね。

 

金巻:僕の場合、シリーズ構成としてチーフを担当した場合はアフレコ現場にも立ち会いますが、いち脚本家として入った場合、現場のことはまったく知らないんです。オンエアされる頃には既に別の作品を書いているので、もはや他人のものですね(笑)。

 

ーーオンエアを見て「うわぁ、こうなったのか」と感じることはないですか?

 

金巻:チーフの場合はそう感じることもありますが、いち脚本家で参加した場合は考えないですよね。考えてもしょうがないので。

 

ーー映画の場合は、初号でご覧になってあまりの変わりように「この作品に自分の名前を出されるのは嫌だ」と感じたりすることもあったりしますか?

 

宇治田:自分の気持ちに折り合いが付くまで、僕は時間がかかります。

 

金巻:それは昔からそうですよね。この間、笠原和夫さんの本を読んだら『仁義なき戦い』の初号が終わった瞬間に(笠原さんが)激怒して、文芸室に閉じこもったまま出てこなくなった、というエピソードがあって(笑)。宇治田さんのイメージと合致した映像って、いままでどれくらいありますか?

 

宇治田:いや、実は割とすくないんですよ。

 

金巻:それ、僕も同じなんです(笑)。それはつまり、あくまでも曖昧ではあるんですが、自分の中にはイメージが「ある」からだと思うんです。

 

宇治田:予算が決まって、具体として現れた瞬間に「やや?」と思ったり……。

 

ーーつらくないですか?

 

宇治田:見終わったあとは「……」と無言になって、受け入れられるまで時間かかってしまうんです。これは自分の問題なんですけど。

 

ーーでも、先程のオープンスクールでは「映像化されるのが前提だから脚本家は楽しい」とおっしゃっていましたよね。

 

金巻:小説にはない面白さという意味ではウソではないです(笑)。それにもちろん結果的に楽しい場合もあるんです。最初は受け入れられないんですけど、2度3度観ているうちに演出の意図が見えてくると、途端に面白くなってくるんです。そうなれば、スタッフの1人として自分の名前が入っていることは、やっぱり嬉しいですよね。

 

 

◆次ページ:脚本家になるにはどうすれば?

 

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