『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(あの花)や『心が叫びたがってるんだ。』の脚本を手がけた岡田麿里さんが、初の監督作品として世に送り出す『さよならの朝に約束の花をかざろう』(さよ朝)が、2月24日(土)より公開しました。

 

全国映画動員ランキングでは5位に入り、ヒットスタートを切った本作の公開初日には、新宿バルト9にて上映後に舞台挨拶が実施。監督・脚本を務めた岡田麿里さん、プロデューサーの堀川憲司さん、出演声優の石見舞菜香さん、入野自由さん、梶裕貴さん、主題歌を担当したrionosさんが登壇されました。本記事では、その『さよ朝』公開初日舞台挨拶の模様をお届けします。

 

『さよ朝』出演声優・主題歌アーテイストが集結!

 

本作の主人公・マキアを演じた石見舞菜香さん。マキアは少女の外見のまま、数百年の寿命を持つイオルフの民。赤ん坊だったエリアルを助けたことで物語は始まります。

 

石見「マキアという役を頂いたのですが、初めての劇場作品の出演で、とても不安がありました。しかし、台本を頂いたときから早く全国の方に観て頂きたいと思っていたので、こうして初日を迎えられて幸せです」

 

途中緊張のため言葉を噛んでしまう一幕があり、場内も微笑ましい空気に。

 

 

マキアによって助けられた人間の子・エリアルを演じた入野自由さん。物語を通じてエリアルは成長していきますが、母であろうとするマキアへの心境の変化がドラマの鍵に。

 

入野さんは岡田監督の代表作『あの花』でも、主人公の宿海仁太(じんたん)を演じられていました。

 

入野「岡田監督とは『あの花』という作品でご一緒して、いつかまた作品に関わりたいと思っていました。今度は監督として、そしてこんなに素敵な作品に参加できるのは、すごくうれしかったです」

 

オーディションに合格し、台本を初めて読んだ時の感想も話されました。

 

入野「台本を読んだらものすごく感動して、その場で麿里さんに『絶対素敵な作品になりますね! よろしくお願いします』とメールで送ったんです。初日を迎えられて、ありがとうという気持ちと、おめでとうという気持ちでいっぱいです」

 

 

 

マキアと同じイオルフの民で、囚われてしまった恋人を助けるために死力を尽くすクリムを演じる梶裕貴さん。

 

「僕も自由くんと同じで、岡田さんの作品に出させて頂いてきましたが、毎回役者として楽しいものばかりでした。今回初監督作品ということで、何かお手伝いしたいと思っていたところ、クリムという役を頂き、楽しい現場でしたし、一ファンとしても素敵な作品だと感じました」

 

本作の収録は、演技を先に収録してそのあとに作画作業を行うプレスコという方式で、1年以上前に行われたとのこと。

 

「プレスコの段階から登場人物に感情移入して、物語の展開に胸を刺されるような思いで涙をこぼしながら収録をしたのを覚えています。その時の感動を多くの方に劇場でご覧いただけているのが、とても嬉しいです」

 

演じたクリムという役どころに関しては、

 

「僕がクリムと似ている部分があると言うと、作品を観た方は大丈夫か? って思われると思います(笑) しかし、誰にでもある気持ちだと思うので、そこを自分の中で膨らませていきました。クリムの台詞にもありますが、『時を進めるか進めないか』というのは、この作品でも重要なポイントだと思うので、その大切な台詞を言わせて頂けたのは嬉しかったですね」

 

岡田監督も、梶さんのクリムの穏やかな切なさを表現するうえで、梶さんの声の演技が作画に与えた影響は大きかったとのこと。

 

 

収録の時点では事務所に入りたてで、現場経験もほとんどなかったという石見さん。

 

石見「不安でいっぱいだったんですが、入野さんをはじめたくさんの尊敬する先輩に支えて頂きながら、マキアと向き合っていけたと思います。母になった経験はまだないので、想像で補っていく部分が多かったですが、マキアとは根本的な性格が近いところがあり、等身大で素直に向き合っていけたらと思っていました」

 

入野「助けるとかアドバイスっていう大層なものじゃないんですけど、どっちにいったらいいのか分からないときに、僕が今までに先輩たちから言われて大事にしていることを渡したんです。音響監督の若林さんは、僕が中学生のときからご一緒しているのですが、『もう大人だから頼むぞ』と言われてやっていたのを覚えていますね」

 

アニメ作品では珍しいホン読み(脚本や台本を元に役者が読み合せて稽古すること)が行われたという本作。梶さんも監督を始めスタッフの意気込みを感じたとおっしゃいました。

 

入野「アニメだとなかなかホン読みを行う時間もなく、絵との共同作業もあるからどっちが先がいいのかということもありますが、1年前に演じたことも思い出せるほど意味がある時間でした。なので、今後のアニメ映画作品でもホン読みを行う作品が増えたらいいなと思います」

 

またホン読みでは、入野さんが子どもから成長したあとのエリアル、すべての年齢を演じられていたとのことでした。

 

 

 

本作の主題歌「ウィアートル」を唄う歌手のrionosさん。本作の印象を尋ねられて、

 

rionos「アーティストなのでポエミーな言い方になりますが、『人生には一度しか咲かない花のような瞬間が確かにある』と一番強く思いました。映画の中ではマキアがエリアルと出会い暮らしていく日々のことですが、それは私たちの日常にも日々起きていることだと思います。私たちも特別な日々を過ごしているけど、いつか別れが来てしまう。誰もが経験する別れは、悲しかったり苦しかったりしますが、自分がいつかおばあちゃんくらいになったときに、かけがいのない日々を思い出して、別れの辛さも含めて、すべては良いことだったと思えるまで『生きたい』。そんな風に思わせてくれる、生きる力、希望を与えてくれる作品だと思いました」

 

岡田監督も曲の印象に関して、「舞菜香ちゃんの声を聴いたときにも『見つけた』と思いましたが、rionosさんの曲を聴いたときもマキアを感じました。スタッフも曲を聴きながら作業していて、支えられました」と回答されました。

 

 

制作中は主題歌「ウィアートル」を聴くのではなく歌っていたというP.A.WORKS社長の堀川憲司さん。劇中でイオルフの民が日々の出来事を記録して織り込む布「ヒビオル」に重ねて、

 

堀川「作品を作ることが、自分の生きた証だと思っています。何が今まで記録できて、これからどんなものを作って記録できるのだろうかと、考えさせられるアニメになっています。制作過程にはいろいろなことがありますが、最終的に出来上がった作品は、綺麗なだけではなくて、ヒビオルのように、自分の人生で作って来たものはこういうものなんだという、深くていい布ができたと思いました」

 

企画から5年の歳月をかけて制作された本作。

 

岡田監督は「TVシリーズと違って作っている間に観てくださった方の反応がなかったのですが、試写会でも多くの方に来て頂いて嬉しかったです」と答え、観客の皆様に挨拶されました。

 

小規模公開ながら公開2日間で、週末興行成績約4,754万円、動員は31,768名を記録。今後もさらに多くの方に観られていくだろう、アニメ映画『さよ朝』に、ぜひご注目ください。

 

SWAMPER's EYE!

 

完成披露試写の記事でも話題になりましたが、ホン読みは岡田監督もこだわりがあって実現したとのこと。

 

プレスコを導入する作品も少なくありませんが、物語に対して声の演技と作画の演技、両方をしっかりとつなぎ合わせて1つのアニメ映画にしていこうという制作工程は、そのもの劇中の「ヒビオル」を織る作業にも通じるのでしょう。

 

さらに美術やCGも加わり、見ごたえある映像と心に響く音楽とともに紡がれる、珠玉の作品となったのだと感じました!

 

ぜひ劇場で鑑賞されることをオススメします!

『さよならの朝に約束の花をかざろう』作品概要

 

タイトル:『さよならの朝に約束の花をかざろう』
公開日:2018年2月24日(土)ロードショー
配給:ショウゲート

 

【スタッフ】
【監督・脚本】:岡田麿里
『心が叫びたがってるんだ。』脚本、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』脚本、『花咲くいろは』脚本
【アニメーション制作】:P.A.WORKS
【製作】:バンダイビジュアル/博報堂DYミュージック&ピクチャーズ/ランティス/P.A.WORKS/Cygames
【配給】:ショウゲート

【主題歌】:rionos「ウィアートル」(ランティス)作詞:riya 作曲・編曲:rionos

【キャスト】
マキア/石見舞菜香 エリアル/入野自由 レイリア/茅野愛衣 クリム/梶裕貴
ラシーヌ/沢城みゆき ラング/細谷佳正 ミド/佐藤利奈 ディタ/日笠陽子 メドメル/久野美咲 イゾル/杉田智和 バロウ/平田広明

 

 

公式サイト:http://sayoasa.jp/

 

 

©PROJECT MAQUIA

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