アニメをめぐる冒険型コラム「アニメ・エンタープライズ」。

 

前回で僕のアニメ制作時代の話を綴るとか言いつつ、今回原稿を書く前に飲み会が。そこでアニメ四方山話に花が咲いたので、その備忘録代わりの今回。制作の話はまたいずれ。

カラオケでアニソンとバレずに歌えるアニソンNo.1は?

 

・京都アニメーションの演出は、引きを見せる「空間演出」と丁寧に芝居を作画する「キャラクターの存在感」を両立していること。その背景には、演出家としてもアニメーターとしても優秀な木上益治の存在が大きい。『CLANNAD』『Kanon』などを観た後に、『ジェネレイターガウル』など京アニグロス回の木上回を観ると、京アニ演出の原点が探れる。

 

・カラオケで普通の人と一緒の時に、アニソンだとバレずに歌えるアニソンのトップは、井上陽水の『夢の中へ』。もちろん、『彼氏彼女の事情』のED曲。なんなら『フリクリ』のEDでもワンチャン。

 

・冲方丁の『ばいばい、アース』は、みんな途中で挫折している。

 

・シャ乱Qのアニソンでは『D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜』が有名だが、意外とみんな『魔術士オーフェン』を忘れている。

 

・『攻殻機動隊SAC』でみんなが好きなのは、割と前半の話数に集中している。が、タチコマ回は別。しかし結局『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』のフチコマが全部持っていく。

 

・『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』は、三島由紀夫が演説時に拡声器を使っていたらのifの話し。

 

・尾石達也の『傷物語』と西尾維新の原作。どちらも映像と小説という表現を活かしきっているので、比べるのはナンセンス。というか西尾維新は、もっとミステリを書くべき。

 

・『涼宮ハルヒの憂鬱』と『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』、そして『魔法少女まどか☆マギカ』。永遠に繰り返す日常の原点とは? 『涼宮ハルヒの憂鬱』は、非日常を楽しむことで日常も楽しくなるということを、シリーズを通じて描いているところが、素晴らしい。「エンドレスエイト」がどうのこうのと言っているやつは、ネタ消費型のにわかオタク。

 

・「エンドレスエイト」がなぜ面白くないのかというと、単純に原作をそのまま映像化しているだけで表現になっていないから。武本康弘が原作のエピソードをアニメ的・映像的な表現に昇華した「射手座の日」と、小説ならではの表現を返した『涼宮ハルヒの分裂』のやり合いが面白い。その媒体でしか表現できない面白さとは何かが重要。

 

・新海誠監督の神髄は『秒速5センチメートル』で描かれた「叶わないけれど、願い続けるような理想的な願望が誰にでもあって、それと向き合って生きていくということ」にあるのだが、本人が超リア充になったことで、不幸を背負う作家性が消えた。なのでエンターテイメントはできるが作家性はない。

 

・『イノセンス』のCパートの作画の躍動と、『君の名は。』の沖浦さんパートは、本質的には同じ。アニメーターなめんな! 新海誠はアニメーターではない。

 

>次コラム

第7回 制作進行のお仕事その1

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