夏と冬の風物詩、といえば人によって浮かぶ光景はさまざまだろうが、一定の業界関係者であれば真っ先に浮かぶのが東京ビッグサイトの人の波、そうコミケだ。かく言うわたくしも、出版業界にいた頃はスタッフ参加をしたり作家さんとの出会いを求めたり頼まれた同人誌を手に入れるべく定期的に足を運んでいた。

 

そのときそのときで流行のタイトルなどは違えど、その熱気は冬でも熱く、夏はもっと熱い独特なもの。オタクに限らずコミケがメジャーな存在となりつつある昨今、興味深いデータが算出された。

 

 

昨年末に発表された「FANZA REPORT 2018 同人編」によると、「寝取り・寝取られ」ジャンル(通称・NTR)が男女別・年齢別のすべてのセグメントで1位となったようだ。かつてエロゲー編集だったこともあるが、一部で確立されたジャンルだと思っていたら一部どころの騒ぎではなかった。ちょっと認識を新たにする必要がありそうだ。もちろん、同人のジャンルというところもポイント。二次創作にしろオリジナルにしろ、個人レベルで人間の本能的な創造モチーフをもってして作品が制作できるという同人ならではの結果といえなくもない。

 

 

コミケは全国からも多くの参加者が集まる。そのこととも関係あるだろうが、各地方別のジャンルでも「寝取り・寝取られ」ジャンルは1位を席巻。もはや人間の本能に基づく表現として、同人という枠組みにとらわれず社会学的アプローチをしたくなるデータだ。

 

 

若者も中年もおじいちゃんも1位である。たとえば北野映画を観たあとは「バカヤロー」と叫びながら拳銃をぶっ放したくなるし、ブルース・リーの映画を観たら自分も強くなった気がしてテンションが上がるもの。ものつくりの表現者にとって、現実世界でたまった欲求を表現で吐き出すことは多いが、ここまで普遍的なジャンルというのは、なかなかないだろう。

 

 

ちなみにFANZA 同人のユーザー年齢層も比較的バランスよく、「若者の同人離れ」ということもなさそうだ。絶対数が少ないとはいえ、65歳以上のユーザーも一定数いるというのも興味深い。この割合が10年後、20年後どのように推移していくのかも気になるところだ。

 

 

この結果が人気ジャンルだからというマーケティングの結果として生まれたのか、それとも自然発生的にそうなったのか。どちらにせよ、1つの同人界の表現の根底をみたことには変わりない。個人の創作意欲をしがらみなくとことんまで追求していくことができる同人という世界。そこから生まれる作品や作家にも、今後注目していきたい。

 

提供:FANZA

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