まず1つ目の質問は「オストルンド監督流の脚本の書き方」。

 

監督曰く「スタンドアップコメディアンがネタ集めをするような感じ」だそうですが、その方法やいかに?

 

 

監督:まず最初にテーマを決めてから、それにまつわる自分の実際の経験をあれこれ思い出して、脚本に付け加えていく、という書き方をしているんです。この映画に出てくるエピソードも、私自身と知人の経験から生まれています。ちなみに「コンドームのシーン」は私の経験ではなく、友達の経験なんですけどね(笑)。

 

と茶目っ気たっぷりに笑うオストルンド監督。

 

「コンドームのシーン」とは、映画の主人公であるクリスティアンが、とある女性と一夜を共にした後、どういうわけか使用済みのコンドームに異様に執着されてしまう……というシュールでコミカルなエピソード。

 

 

監督:スタンドアップコメディアンって、人から「こういう面白い状況があったんだよね」という話を聞くと、すぐにそれを自分のネタ帳にメモしてショーに使っちゃうんです。私も「いまこんなテーマで映画を作っているんだ」っていろんな人に話して、みんながそのテーマに関連して教えてくれたエピソードを溜めておいて、脚本に使うということもしています。

 

以前、私が住むスウェーデンのグッテンバーグで、少年同士のカツアゲ事件が繰り返し起きたことがありました。私はその裁判記録を読んだのですが、事件が起こったとき、周りにはたくさんの人がいたのに、誰も少年を助けなかったし、被害者の少年も助けを求めなかったんです。私はそういった「傍観者効果」というものを、どうにかしなければと強く思いました。

 

ちなみに、監督のいう「傍観者効果」とは、ある危機的状況が起きた際に、周囲が傍観し続け、誰も助けようとしない状況を指す社会心理学用語のこと。

 

監督はこの事件をきっかけに映画を作ることを決意。

 

 

それが2011年の東京国際映画祭で上映された『プレイ』という作品につながり、そして今回の映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域』では、「社会のレベルで責任を取るとはどういうことなのか」をメインテーマにしながら、「傍観者効果を破る」ための方法を探っていったのだといいます。

 

■次ページ:謎の「モンキーマン」誕生秘話

 

関連キーワード
映画の関連記事
  • 周防正行監督待望の最新作『カツベン!』現場取材レポート!
  • 『ドント・ウォーリー』に宿るポートランド魂 ガス・ヴァン・サント監督来日レポート
  • 14年ぶりの来日!映画『パパは奮闘中!』ロマン・デュリスさんインタビュー
  • 観た人の心が軽くなるような映画を作りたい。『リアム16歳、はじめての学校』 カイル・ライドアウト監督インタビュー
おすすめの記事