僕にとって「いい映画」というのは、鏡のような映画だと思っています。

 

イベントの終盤には、MCの伊藤さんからこんな素敵な報告が!

 

MC:このたび、深田晃司監督の過去の功績が評価され、フランス文化省から芸術文化勲章の一つ、「シュヴァリエ」が授与されることが決定しました! さらに、フランス、インドネシア、中国での公開も決定しました!

 

ディーン:めでたい! おめでとうございます。

 

この報告を受けて、ディーンさんから監督へ祝福コメントが!

 

 

ディーン:僕はずっと前からそうなんですけど、何かをやるんだったら、一人でも多くの人に観てもらいたいし、聴いてもらいたいし、知ってもらいたい。どんなアクションを起こすにせよ、「自分と関係がある」って思ってもらいたいんですよね。だから常に何をやるにしても、そうあるべきだと思っています。

 

もちろん、監督の今までの功績だったり、この作品の魅力が認められて、いろんな国で既に公開が決まっていることは、すごくめでたいこと。僕自身、どこの国で作ろうと、届ける先は地球の枠の中に照準を定めるべきだと思うし、だからこそ余計に嬉しいと思います。深田監督、おめでとうございます!

 

そして、深田監督のコメントと、本作へかけられた想いです。

 

 

監督:ありがとうございます。勲章に関しては、もらえるものは何でももらいますけど(笑)。とにかく今回の映画が日本だけではなく、いろんなところで公開が決まっているのは、本当にうれしいですね。

 

以前『淵に立つ』という作品もフランスで公開していて、幸か不幸か日本よりもフランスの方がお客さんが沢山入っている……みたいなことになっているんです(笑)。今回はそれ以上にフランスの配給会社の方が気に入ってくれていて「拡大公開していくぞ」って盛り上がっているみたいで、当然インドネシアでも公開するので、その時には自腹を切ってでも駆け付けたいと思っています。

 

自分が映画を作るときには、特定の誰かに向けて、という風には考えないようにしています。まず自分が観たいと思うものを作ろうと思っているんですけど、今回の作品だけは、自分の中でも意識が少しだけ違っているところが一部あって。やっぱりインドネシアのバンダ・アチェっていうところに行った体験が大きいんですね。

 

(訪れたのが)2011年の12月だったこともあって、津波の記憶がまだものすごく生々しい時期でした。東北の田畑を津波が流していく映像は、ものすごくインパクトがありましたし、まるで世界観がひっくり返ってしまうような衝撃を受けたんですが、それを引きずったまま、2004年に被害を受けたバンダ・アチェという場所に行くと、やっぱりいろいろ考えさせられちゃうわけですね。

 

2004年に自分は海外のニュースでインドネシアやタイが津波に飲まれていく映像を見ていたはずだけど、やっぱりそのときには想像することが出来ていなかったなって。考えてみたら東北の津波だって、自分は東京に住んでいて、知り合いや家族が亡くなったわけでもないのに、すごくショックを受けている。でも、なぜインドネシアの津波のことは覚えてなかったんだろうって。

 

今回の映画を作りたいと思った理由の一つには、津波を経験した日本の方々に、インドネシアのバンダ・アチェという場所を見て欲しいという想いもあったんですね。とはいえ、自分がバンダ・アチェで感じたことを、そのまま皆さんに伝えたいということではないんです。津波に対する考え方とか、あるいはラウという者を通じて描かれる自然というものに対する考え方は、皆さん人ぞれぞれだと思うんです。

 

僕にとって「いい映画」というのは、鏡のような映画だと思っています。映画を通じて「自分にとっての津波って何なんだろう」「人間が生きるって何なんだろう」「自然って何なんだろう」といった風に想像していく中で、自分自身の考え方や思想や生き方みたいなものが、見えてくるものだと思っています。

 

『海を駆ける』という作品が、皆さんにとってそういう映画になればいいなと思っています。

 

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いかがでしたか? きっとこのレポートを通じて、インドネシアのバンダ・アチェで、かけがえのない時を共に過ごした『海を駆ける』チームの絆と、果てしないインドネシア愛の深さを、感じとっていただけたのではないでしょうか。

 

 

SWAMP(スワンプ)では、深田晃司監督のディープなインタビューも近日掲載する予定です。お楽しみに!

 

(編集/写真:加藤真大)

 

『海を駆ける』概要

 

『海を駆ける』

2018年5月26日(土)全国ロードショー
配給:日活、東京テアトル

 

【キャスト】ディーン・フジオカ 太賀 阿部純子 アディパティ・ドルケン セカール・サリ 鶴田真由
【スタッフ】監督・脚本・編集:深田晃司
企画制作:日活

 

 

公式サイト:http://umikake.jp/index.html

 

 

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