ファン・ドンヒョク作品に共通するもの

――今のお話を伺い、この映画を今観るべき理由が、改めてわかりました。実は、監督にずっとお聞きしてみたかったことがあるんです。監督はこれまでテイストの異なる作品を次々に撮られていらっしゃいますが、監督が映画を撮る上で大切にしていること、または全ての作品に共通する「信念」のようなものがあれば、教えていただけますか?

 

監督:「信念」と言えるかどうかはわからないんですけれども、確かに私の場合はそれぞれ撮るたびにジャンルが様々ですよね。

 

――はい。

 

監督:自分なりに「過去の作品の共通点は何だろう?」と考えてみたんですが、やはりキャラクターだと思うんです。人間愛を持ったキャラクターが出てくるのが、私の作品の共通点なんじゃないかなと思います。

 

――なるほど。

 

監督:それぞれ違う作品の中に登場するキャラクターを見ていくと、他者に対する愛情を持ったキャラクターが必ず出てきているんですね。『マイ・ファーザー』には、死刑囚を愛する、養子縁組で息子になった人が出てきたり、『トガニ~』では、障がいを持った子どもたちを助けられない先生が出てきます。

 

『怪しい彼女』では、孫や子どもを愛する母親が出てくるし、今回の映画では、ナルという少女を始め、民を心から愛したチェ・ミョンギルや、キム・サンホンという家臣が出てきています。人に対する愛情を決して捨てることのない人物を見せるというのが、私の作品の中での共通項かなと思います。

 

――なるほど。確かにみんな愛情深い人物ですよね。ちなみに、監督はスピルバーグ監督がお好きなんですよね。ちょうど今(2018年4月)スピルバーグ監督も(『レディ・プレイヤー1』のPRのため)来日中です。

 

監督:そうなんですね。子どものころは、スピルバーグの監督の映画を観て、映画に対する夢を育んできました。スピルバーグ監督の作品を嫌いな人なんて、きっといないですよね(笑)。

 

 

いかがでしたか? シリアスな社会派ドラマから、ファンタジックなコメディまで、全く異なるジャンルの作品を、常に最高レベルのクオリティで作り続けてきたファン・ドンヒョク監督の創作の秘密が、このインタビューを通じて少しだけ垣間見えたのではないでしょうか。

 

『天命の城』は、まさに今こそスクリーンで観るべき作品。極寒の地で男たちが繰り広げる壮絶な選択と闘いの結末を、ぜひその目で見届けてください。

 

(写真・加藤真大)

 

『天命の城』概要

 

『天命の城』
6月22日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
配給:ツイン
提供:ツイン、Hulu

 

公式サイト:http://tenmeinoshiro.com/

 

 

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