「本に対して私が一方的に想いを向けることはできるけど、本とは共鳴できないから」

 

――池田さんご自身は「ダ・ヴィンチ」で書評の連載も担当されるほど本好きとして知られていますが、映画の中で御子ちゃんが読んでいる本は、池田さんがセレクトされたんですか?

 

池田:基本的には監督が好きな本を置いてあるんですけど、『モモ』とか、私自身も児童文学が好きなので、もしかすると監督なりの配慮だったのかもしれないですね。御子ちゃんとかエライザならこんな本を読んでいるかな、とか。

 

――普段池田さんが人に本を薦める上で、意識されていることなどありますか?

 

池田:書評に関しては、自分が好きな本っていうのはもちろんあるんですけれど、発売されてから3カ月以内の新刊というような制限もあったりするので。本の中の素敵な部分を自分で見出す力を養うためにやっているところもあって、「この作家さんのこういう部分が素敵だったよ」っていう感じで参考にしてもらえたらと思っています。

 

逆に「これまでの人生の中で一番好きな本は?」って聞かれたら「(それを教えたら)本当に読んでくれます?」って半信半疑になりますけど(笑)。あと、街でファンの方に「エライザちゃんですよね? 好きな本を教えて欲しくて」って言われることもあるんです。

 

――街で会ったファンの方にも、オススメの本を聞かれるんですか?

 

池田:そう。でも、その子が勇気を出して話しかけてくれたときに、話しの取っ掛かりとして本を使ってくれるだけで、なんかもう愛おしくて(笑)。

 

――確かに、それは素敵なエピソードですね。

 

池田:しかも次のイベントで会ったときに「あの本読みました!」とか言ってくれると、「覚えてるよ!」みたいになりますね。

 

――自分がオススメした本をちゃんと読んでくれて、感想を聞かせてもらえるのって、嬉しいですよね。

 

池田:本当に、本を読んで書評を書くのは地味な仕事なので(笑)。

 

――忙しくても、ちゃんと読まないと書けないから大変ですよね。

 

池田:そうそう! よく「飛ばし読みしてるんじゃないの?」って言われるんですけど、意外とそこは真面目なので、飛ばさずにちゃんと読んでいます。

 

――池田さんがちゃんと読んで選んでいることは、文章から伝わってきますよ。

 

池田:私も自分で書いた文章が「重いな」って思う時があります(笑)。もうちょっと購買欲求をくすぐるように、シンプルに書けたらいいんですけどね。結構、悶々としながら書いています。

 

――時には御子ちゃんみたいに辛いことがあったり、壁にぶつかったりすることもあると思うのですが、池田さんにとって「救い」になっているものも、やはり本だったりしますか?

 

池田:いや、違うと思います。確かに本は辛いときに絶望しないための養分になってくれてはいると思うんです。でも、自分を救うのは多分「人」だと思う。本に対して私が一方的に想いを向けることはできるけど、本とは共鳴できないから。

 

作者さんが込めた想いを受けとることはできるけど、希望を与えてくれるのは「誰かの後ろ姿」だったりするのかなって。上には上がいるし、諦めたくてもまだまだ諦めきれないことが多いから、「鼓動を感じる」とか「息をしている」とか、そういうことが力になっていると思います。

 

――人付き合いという意味では、ずっと長く付き合っている人たちを大切にされている感じですか?

 

池田:親しい友だちは3人いて、半年に1回くらいしか会わなかったりするんですが、久々に会っても「昨日も一緒に居た」みたいな関係にすぐに戻れるので。友だちと会えない時は本に救われて。だから「絶望しない」っていう感じです。

 

 

いかがでしたか? 今をときめく人気女優でありながら、マイペースに生きる池田エライザさんのキュートな人柄と、『ルームロンダリング』という作品や御子ちゃんに対するとてつもなく深い愛情が伝わってきましたか?

 

取材後、この映画に欠かせないアヒルの「ジョセフィーヌ」の役割について池田さんに尋ねてみたところ「多分お母さんの霊力が溜まっていて『これからお化けが出るで~』っていう合図になっているんじゃないかな。緊急地震速報みたいな感じ」という分析が。

 

「御子ちゃんは引っ越すたびにコンパスでジョセフィーヌを置く場所を決めるけど、お化けがザクザク出てくる」と茶目っ気たっぷりに微笑む、池田さんの笑顔が印象的でした。

 

 

SWAMP(スワンプ)では、片桐健滋監督と「悟郎さん」を演じたオダギリジョーさんのインタビューも近日公開予定です。お楽しみに!

 

(写真・加藤真大)

『ルームロンダリング』概要

 

『ルームロンダリング』

 

7月7日(土)より、新宿武蔵野館、渋谷HUMAXシネマ、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー

 

 

公式サイト:http://roomlaundering.com/

 

 

©2018「ルームロンダリグ」製作委員会

 

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