早稲田大学の「マスタークラス」にナタリー・バイ団長が登壇!

 

6月23日(土)早稲田大学で開催された「マスタークラス」にはフランス映画祭の団長を務めたナタリー・バイさんが登壇。

 

もしかすると、20代前後の学生さんにとっては『わたしはロランス』や『たかが世界の終わり』といったグザヴィエ・ドラン監督作品における、お母さん役としての方が馴染み深いかもしれませんが、ナタリー・バイさんのフィルモグラフィーの豊かさは、ほかに類を見ない豪華さ。

 

授業の冒頭、8分間に及ぶ過去の出演作品のダイジェスト映像とフィルモグラフィーが紹介されると、フランソワ・トリュフォー監督やジャン=リュック・ゴダール監督らのミューズとして活躍していた当時の驚きの暴露話や名言の数々が、ご本人の口から次々と明かされました。

 

「トリュフォー監督やゴダール監督との映画制作を通じて学んだことは?」という問いかけに対しては「よくその質問はされるんだけど(笑)」と微笑みながら、こんな素敵な答えが。

 

「当時、誰より沢山映画を撮っていたのは彼らだったの。だからきっと、今から30年経てば『昔、ドランと撮ったんでしょ?』と言われるはず」

 

「トリュフォーやゴダールは『私たちの時代の監督たち』だった」

 

「俳優はどういう作品を選ぶかによって、そのキャリアが決まっていく。私には特に上昇志向といったものは無くて、素直な気持ちで作品を選んだの」

 

とはいえ、作品選びの際には何を基準にしているのかと問われると、

 

「まずシナリオの質の高さを見極めて、そのあと監督と直接話して決める」

 

「このシナリオなら行ける、この監督なら信頼して任せられる、と思えないとダメ。選んだら監督を完全に信頼して、監督の求めるものに合わせていく」

 

と答えるナタリーさん。

 

実際に出演が決まったら、シナリオを全て音読するのが長年の習慣なのだそう。

 

「ト書きも含めて、すべてのセリフを一旦音読するの。耳で聴くことによって、そのシナリオの欠点が見えてくる。私にとって声を出して読む作業は、スキャナーをかけるようなもの」

 

「俳優という仕事には、本当の意味での謙虚さが求められる。時には監督の指示とは全く違うことをやってしまうこともあるけれど、基本的には監督の考えていることを尊重する。私がこれまで共演してきた偉大な俳優たちは、みんな謙虚だった」と、女優としての心構えを語ってくださったナタリー・バイさん。

 

 

講義の最後には学生さんに向けて、こんな素敵なメッセージが送られました。

 

「自分が心の底から望む、本当に成りたいと思う仕事に就いてください。そして一旦決めたら、しっかり準備すること」

 

まさしく映画業界の第一線を走り続けてきた団長の言葉に、社会に出て既に20年近くになる私も、すっかり胸が熱くなりました。

 

見ごたえたっぷりの関連企画

 

 

「フランス映画祭 2018」の関連企画として、「Gaumont映画誕生と共に歩んできた歴史」と題した展覧会や特集上映も行われました。横浜赤レンガ倉庫1号館で展示されていたのは、フランス映画祭の代表団のポートレートや、映画誕生から120年に渡って1000本以上の名作を手掛けてきたフランスの老舗映画会社Gaumont(ゴーモン)の歴史を紹介する豊富な資料の数々。実際に映画の中で使用されていた衣装やポスターの展示のほか、サウンドトラックの視聴や100本以上の映画の名シーンの上映など、盛り沢山の内容で、入場無料とは思えぬほどの充実ぶりに驚かされました。

 

なお、来場者の投票によって決まる今年の「エールフランス観客賞」は、オープニング作品の『セラヴィ!』が受賞。13年ぶりに横浜で開催された「フランス映画祭 2018」は、大盛況のうちに幕を閉じました。

 

(写真・渡邊玲子)

 

公式サイト:http://unifrance.jp/festival/2018/

 

 

Copyright ©  『フランス映画祭2018』公式サイト

おすすめの記事