家族たちそれぞれの今と、これからーー

 

——実際に映画が公開されて、登場した家族にどのような変化がありましたか?

 

監督:ちょうど今から1年くらい前にニューヨークで行われた試写会に、この映画に登場したすべてのご家族が勢ぞろいして、上映後に登壇してくださったんです。私はもちろん撮影の際に全員と会って話しているんですが、出演者の皆さんはお互い初顔合わせだったので、彼らが交流する姿を見ているだけでワクワクしました。

 

この映画に参加したことが、皆さんにとって素晴らしい経験になったようなんです。特にダウン症のジェイソン君と「三銃士」のようだった彼の2人の友だちは、東海岸で上映会を行う時に必ず会場にやってきました。おそらく20回くらいは映画を観にきているんじゃないかしら(笑)。彼らは上映後のQ&Aにも参加してくれるのですが、ユーモアのセンスが抜群なので観客もすごく盛り上がるし、彼ら自身もとっても楽しんでくれているみたいです。低身長症のジョセフさんとリアさんご夫婦は、自分たちのアイデンティティをこの映画を通じて表現出来たことに対し、とても満足してくださっています。

 

 

加害者家族の方にとってはやはり複雑な思いもあるようですが、同じような経験をしているほかの家族に映画を観てもらえることは、良いことだと感じてくださっているようです。ロイーニさんは日によって変動もありますが、体調の良い時はとても元気に楽しく暮らしています。いまだに全員と連絡を取り合っていて、彼らはとても仲がいいんですよ。

 


 

今回のインタビューで紹介した事例のほかにも、本作にはそれぞれが独立した1本の長編映画になりそうなほど、トピック満載な家族の物語が登場します。きっと、これまでとは世界の見え方が変わるようなエピソードの数々に戸惑う人もいるでしょう。

 

頭では理解したつもりになっていても、いざ目の当たりにするまで気づけないことは世の中に沢山あります。『いろとりどりの親子』は、たとえ身近にいても知り得ない人たちの気持ちや考えにも、映画を通じてなら触れることが出来るのだ、ということを改めて実感させてくれる1本です。

 

(写真:加藤真大)

『いろとりどりの親子』概要

 

『いろとりどりの親子』

11月17日(土)新宿武蔵野館ほか全国順次公開

配給:ロングライド

スタッフ・キャスト

監督:レイチェル・ドレッツィン

原作:アンドリュー・ソロモン「FAR FROM THE TREE Parents, Children and the Search for Identity」

音楽:ヨ・ラ・テンゴ、ニコ・ミューリー

2018年/アメリカ/英語/93分/アメリカンビスタ/カラー/5.1ch/原題:Far from the Tree/日本語字幕:髙内朝子

提供:バップ、ロングライド 配給:ロングライド

 

公式HP:longride.jp/irotoridori/

 

 

(C)2017 FAR FROM THE TREE, LLC

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