ドラマになる脚本の作り方とホン読みの重要性。

 

こちらが実際に高橋さんによって執筆された脚本。映像化にあたって高橋さんは主人公を「結婚して新しい家に住みはじめて間もない主婦」に変更し、何やら家に異変を感じて霊感のある友人を招くところからスタートしています。夫が働きに出ている間、馴染みのない家で1人ポツンと不安を抱える主婦の姿が描かれており、ホラー作品では効果音やBGMで恐怖心を煽る演出もされますが、電話越しに聞こえてくる蝿の羽音という描写も。確かに一気に舞台と状況に引き込まれていく導入部分となっています!

 

主人公を主婦にすることで「この家には何かいるのか?」という魅力的な問題が冒頭から設定できるようになったわけですね。一方で友人を招いたのは、登場人物が1人だけだと独り言やモノローグによって物語を進めないといけないという問題が生じるため、話し相手を置いて説明的ではなく物語を会話の形で進められるようにしているわけです。

 

 

この脚本も受講生たちによって、それぞれ配役が決められて読み合わせられていきます。なんだか実際の現場っぽいですが、役者さんが時間を計って演じることでシナリオの流れや演技などを確認する「ホン(脚本)読み」という工程にあたります。高橋さんからは「役者さんを交えずとも、仲間内で実際に声に出して読みあうことで自分が書いたものを客観的に見つめる作業は、ぜひ行っていくべきである」というお話も。

 

今回行われたホン読みにかかった時間は約4分。映像にした際に5分におさまる分量であることも確認できました。このシナリオを声に出して読むという行為によって、黙読とは異なり実際の現場でスタッフや役者がそれぞれ何をするべきか明確になっていくとのこと。定められた書式に合わせて書かれていないシナリオは尺(ランニングタイム)読みも出来ず、どのような映像になるかがわからないのでスタッフ・キャストが共有できないとのこと。この書式や書き方という部分が、脚本家に必要な技術の根底となってくるんですね。

 

さて、ホン読みのあとは実際に完成した映像をみんなで視聴。実際にどんな映像になったか気になる方は、DVDが販売されていますので、ぜひ視聴してみてくださいね!

 


怪談新耳袋 -開けちゃだめ編- [DVD]

画像出典:http://images-jp.amazon.com/images/P/B06XR13HCM.jpg

 

脚本には書かれていませんが実際の映像を観てみると、冒頭の電話をかけている部分で主婦の手には結婚指輪がはめられており、既婚者であることがわかるようになっています。このように言葉で説明することなく主人公や登場人物が何者であるのかを示すことも、テクニックとして大事になってきますね!

 

ちなみに、講義の最後にはおまけとしてオーディオコメンタリーに入った「とある現象」も紹介されました。どんなことが起こっているのかは、ぜひDVDで耳を澄まして確認してみてください……。予期せぬことが起こるのも、ものつくりの醍醐味といえるのかも、しれませんね……!

 

 

より本格的に「脚本家に必要な素質って?」「どうやって脚本家になればいいの?」ということが気になっている方は、オープンスクールのあとにおこなった金巻兼一さん&宇治田隆史さんのインタビュー記事もチェックしてみてください。人気TVアニメの脚本の秘訣や実写映画の世界でどのように脚本が作られていくかなど、前後編でたっぷりと伺っています!

 

◆「脚本家になりたい!」と思ったら。脚本家・金巻兼一さん&宇治田隆史さんインタビュー・前編はこちら

 

◆「脚本家になりたい!」と思ったら。脚本家・金巻兼一さん&宇治田隆史さんインタビュー・後編はこちら

 

高橋洋さんを筆頭に、今回お話を伺った金巻さんや宇治田さんといった、第一線で活躍する講師陣から直接学べる映画美学校「脚本コース」では、脚本の勉強のみならず、実際に自分たちで映画制作を体験してみる、といった映画美学校ならではのカリキュラムも用意されています。興味を持たれた方は、ぜひ次回のオープンスクールに参加してみてはいかがでしょうか。詳細は下記公式サイトにて!

 

映画美学校公式サイト:http://eigabigakkou.com/

 

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