eスポーツで注目されているゲームタイトルとeスポーツ元年を振り返る

 

龍田:注目度や盛り上がりの視点からお話させて頂くと、世界規模で流行しているのは『League of Legend(リーグ・オブ・レジェンド)』と『Counter-Strike:Global Offensive(カウンターストライク:グローバルオフェンシブ)』といったタイトルだと思います。

 

加藤:その通りですね。そもそも日本で流行っているゲームと世界で流行しているゲームって違うじゃないですか。日本はeスポーツ的に後発と言われてきた中で、徐々に世界でメジャーなタイトルも国内で知られるようになっている気はします。

 

龍田:やっぱりeスポーツ全体のムーブメントが活性化してきてる中で、注目度の違いと盛り上がりの大小は感じられますよね。

 

加藤:そういう意味で言うと、結構いいなぁと思ったのが『ぷよぷよ』なんですよ規模感で言うと「RAGE」や『モンスト』に比べてまだまだだと思うのですが、会場に行ってみるとーーもちろん選手たちは真剣なんですがーーアットホームな雰囲気に包まれていました。もう20年近くにわたって活動するくまちょむ選手たちがプロ選手になったり、現役高校生が大会で勝利してそのままプロになって出場していたり。世代を超えた真剣勝負はもちろんのこと、『ぷよぷよ』好きが集まって盛り上がるっていう感じで。運営のセガの方たちもふくめて「ここにいる人たちは、みんな『ぷよぷよ』が大好きなんだな」って感じが、もの凄く伝わってきましたね。

 

龍田:暖かいコミュニティが形成されていると。eスポーツシーンで見られる対戦以外の魅力だと思います。

 

加藤:改めて昨年のeスポーツシーンを振り返ってみると、目新しいトピックを挙げれば流行語大賞のトップ10入り。あとは日本テレビもeスポーツチームを持ったり番組を放送したり、元々スポーツチームだったところがeスポーツチームを抱えるなど、様々な動きがどんどん現れてきた2018年でした。

 

龍田:各所で「eスポーツ元年だ」というのは聞きますが、おそらくそれまでも元年だと言われてきたと思います。それがやっと目に見える形で可視化されたな、という印象ですね。

 

加藤:元年って言うには、たとえばVRだったら「PlayStation VR」が発売されたとか、象徴的な事象が必要じゃないですか。eスポーツ元年というのにふさわしい事象が、2018年までは(国内では)あるようでなかったのかもしれないですね。そしてビジネス面から話を付け加えると、そもそも成長率の高いところには投資甲斐があるじゃないですか。その可能性に企業も気づき始めたのが2017年ぐらいだったと思うんですね。成長の見込みがあるということで投資された結果が2018年。その結果様々なチームができたり、大会が開催されるようになっていった。そういう土台が確立したのを見て、2019年以降は「ここからが真の勝負だな」という感じがしますよね。

 

龍田:やっとスタートラインに立ったイメージです。僕個人の考えとしては、eスポーツを題材にしたTV番組が増えたのが印象深く残りましたね。

 

加藤:そうですね。(『eGG』を手がける日本テレビのeスポーツチーム)AXIZさんの代表者にもインタビューしましたが、「我々のチームは運営も含めてみんなゲーム好きです」みたいな。そういう人たちがTV局とか新聞を含む旧来のマスコミの中で、eスポーツ事業を手がけるだけの力を持つようになったのかなと。その傾向が10年20年続いていけば、どんどん新しい形を作れるかもしれません。

 

龍田:確かに。今は目当たらしく感じるかもしれないですけど、年月が経つにつれて「スタンダードになったらいいな」と思いますね。

 

加藤:去年色々なイベントを取材してきて、つまんないイベントはなかったんです。それぞれ魅力的だったし、そういうイベントを来年以降も取材していきたいっていう想いは、シンプルにありますね。あと自分はeスポーツのプレーヤーの取材もしていますけど、一番プロだと感じたのはときどさんなんです。「RAGE」の大会で決勝戦をずっと見ていましたが、試合に臨む前のルーティーンからあきらかにオーラが違いました。

 

龍田:纏っている雰囲気がもう違いますよね。

 

加藤:独自の考えを持って行動しているじゃないですか。「どうしてゲームをやるのにジムに行くのか」という部分も含めて、しっかりと理由を付けて行動を積み重ねている人。「そういう意識を持てば、自分も何かできるかもしれない」って周囲に思わせる実績と行動が伴っている点で、ときどさんはプロだと思います。

 

eスポーツ、これからどうなる? 編集・ライターが考えるeスポーツの未来

 

龍田:来年からのeスポーツ業界はどうなるのでしょうか?

 

加藤:eスポーツのビッグタイトルは出そろった感がありますよね。もちろん、対戦要素がないゲーム作品を無理やりにでもeスポーツタイトル化させる場合もありますが。

 

龍田:確かに大まかな定番タイトルは出そろいましたよね。eスポーツに対する認知度自体は上昇しましたし、この流れがゆるやかにでも続いていけばと思います。

 

加藤:人と人が真剣勝負を繰り広げるeスポーツには、なんだかんだゲーム本来の魅力が根本にあると感じます。eスポーツはゲームの楽しさを色んな人に知ってもらえるきっかけになるし、元々知っていても再発見できる魅力というのがあるんだと実感しました。『パワプロ』を僕もやっているんですが、eスポーツの試合を見て「ガチで戦う場合こういう戦略があるんだ!」とびっくりしたり。編集やライターとして携わっている中でも、頂点を極めて戦うからこそ見える魅力には、1つのゲームにおける楽しみ方が集約されていると思います。

 

龍田:魅力の再発見ですよね、やっぱり。個人的な意見としては、eスポーツシーンが勃興している最中に、ライターとして携わっていられたのは幸運だと思います。ここからメディアや記事を通して、eスポーツの魅力をユーザーの皆さまに伝えられればと思います。1つの課題として、eスポーツに興味のある顕在ユーザー以外にも、eスポーツに興味はあるけど足を踏み出せない潜在ユーザーを巻き込めるようなコンテンツ作りに関わることができればとも考えていますね。

 

加藤:まあ当然、運営や企業やプロ選手にそれぞれたくさんの課題はありますが、課題が明確になっただけで進歩ですし、今後どう盛り上げていくのかを大会を運営する人・プロゲーマー・編集及びライターそれぞれの視点で考えていくべきだと思います。ユーザーはシンプルに楽しければ参加したり配信を見るでいいし、つまらなかったら見なければいいだけ。それぞれの思いの中でeスポーツがどう面白くなっていくのか、注目したいところですね。

 


 

eスポーツは大きく話題になると同時に問題が可視化され、以前より混沌とした様相を呈しています。ですがその分ポジティブな話題も多く、客観的に見てもまだまだ成長を遂げるジャンルなのは間違いありません。発展途中の今だからこそ、eスポーツの世界に飛び込む機会としては、今が絶好のタイミングだと思われます。

 

この記事を読んでもし「eスポーツに興味が湧いてきた」という方がいれば、まずは気軽に試合観戦から始めてみてはいかがでしょうか。

 

 

■記事中で話題になった「RAGE」大会も近日開催! 

 

「Shadowverse 2019 Spring」予選大会は2月2日(土)・3日(日)に幕張メッセにて開催。頂点が決まる「GRAND FINALS」は3月17日(日)に開催です。

 

 

公式サイト:https://rage-esports.jp/shadowverse/

 

 

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